量子ドット複合系における量子現象のダイナミクスに関する研究
Project/Area Number |
07J06711
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Mathematical physics/Fundamental condensed matter physics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大塚 朋廣 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2007 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2009: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 量子ドット / 量子ホール効果 / エッジ状態 / 近藤効果 / パルスゲート法 / 量子細線 / 励起状態 / スピン偏極 / クーロン相互作用 / 高速パルス |
Research Abstract |
本年度は昨年度に引き続き、量子ドット系における動的な測定手法であるパルスゲート法を用いて固体中の電子状態の測定を行った。 まずパルスゲート法を用いて、量子ホール領域における電子状態の局所的な測定を行った。二次元電子ガスに垂直に磁場を印加した際に生じる量子ホール効果においては、試料の端に局所的に形成されるエッジ状態が重要な役割を果たす。この性質を詳しく調べるために、ホールバーの側面に結合した量子ドットにパルスゲート法を用いて、ドットへの電子のトンネルを調べた。トンネルにはドット近傍の電子しか寄与することができないため、これを解析することにより、局所的な電気化学ポテンシャルや電子温度等の局所電子状態を調べることができる。またこの手法は測定に際しての擾乱が極端に小さく、測定対象の電子状態を乱さないという大きな利点を持つ。我々は実際にこれらの測定を行い、エッジ状態の形成、その向き、量子ホール領域におけるエネルギー緩和の抑制等を確認した。またホールバーとの結合場所が異なる量子ドットを用いて、電子状態の場所依存性を調べ、量子ホール領域ではホールバーの縦方向に沿って空間的に一様な、非量子ホール領域では非一様な電子状態が形成されていることを確認した。さらにエッジ状態におけるスクリーニングの効果についても、量子ドットへの電子のトンネルの信号を用いて直接的に検出した。また同様の手法を用いて、量子ドットにおける近藤効果の測定も開始した。これまでの研究においては測定量が量子ドットを通しての電流であったため、測定は主に平衡状態での近藤効果に限られていたが、パルスゲート法を用いて状態密度を検出することにより、非平衡状態下での近藤状態について調べることができる。我々は実際に量子ドットの状態密度の測定を完了し、近藤状態における状態密度についても測定を開始した。
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Report
(3 results)
Research Products
(24 results)