翻訳停止装置ストレスグラニュールの形成機構およびその生理機能の解明
Project/Area Number |
07J09076
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Cell biology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤村 健 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2007 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2009: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | RNA顆粒 / ストレスグラニュール / プロセシングボディー / バイオイメージング / 翻訳制御 / 細胞生物学 / ストレス応答 / 細胞内構造体 |
Research Abstract |
昨年度までの結果から、Stress Granule(SG)形成は二つの過程から構成され、第一段階では微小管非依存的なタンパク質およびRNAの凝集、第二段階においては微小管依存的な凝集体の輸送と融合、またSG構成因子の効率的な集積が起こることが見出された。今年度はこのモデルを補強すべく更なる顕微鏡観察にもとづいた解析をおこない、上記に加えて微小管による凝集体の輸送にはdyneinのモーター活性は必要ないこと、また微小管はSGが形成されるときのみに必要であり、ひとたび形成された後の維持には不要であることなども見出した。Nocodazoleを用いて微小管を脱重合させた場合とTaxolなどの薬剤を用いて逆に微小管を安定化させた場合のSG形成への影響が同様であることも考慮すれば、第二段階において必要なのは分子モーター以上にダイナミックな微小管の重合-脱重合のサイクルである可能性が示唆される。 さらに、阪大の米田悦啓教授の研究室との共同研究から、これまで専らタンパク質の核内輸送を担うとされてきたimportin αという因子がSG形成に関与することを見出した。siRNAを用いたノックダウン実験から、importin αが主に上記のSG形成第一段階において機能してタンパク質-RNAの複合体の凝集を促すことがわかり、またおそらくSG形成を促進することで細胞の酸化ストレスへの耐性を高めていることが示唆された。importin αはnuclear import receptorとして多様なタンパク質と複合体を成す能力があることから、SG形成において"糊"のような役割を果たしているのかもしれない。また最近、他の核内輸送因子であるimportin βやtransportinなどもSGに局在し、RNA代謝に関与することが示唆されていることを踏まえれば、これら一連の因子群が協調的にストレス応答に関わっている可能性が考えられる。
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Report
(3 results)
Research Products
(10 results)