脳機能発達に対する環境化学物質の影響と攪乱標的の一つ甲状腺ホルモンの機能解明
Project/Area Number |
07J09373
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Neuroscience in general
|
Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
高橋 理貴 Aoyama Gakuin University, 理工学部, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2007 – 2008
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 甲状腺ホルモン / 環境化学物質 / 発達期脳 / ポリ塩化ビフェニル / 水酸化ポリ塩化ビフェニル / 小脳 / 発達 / プログラム細胞死 / 細胞周期 / 発現解析 |
Research Abstract |
本研究の目的は、身体各器官の正常発達に必須な甲状腺ホルモンの脳機能発達における役割の解明、ならびにこれを攪乱標的とすると考えられる環境化学物質の一つ水酸化ポリ塩化ビフェニル(以下水酸化PCBと略)の胎生期暴露が新生児脳に与える影響を明らかにする事である。本年度は研究計画の記載通り、甲状腺ホルモン攪乱作用を持つ可能性が懸念される水酸化PCBに注目し、その発達期脳に対する影響を評価した。まず、ラット母体に皮下埋め込み式浸透圧ポンプを用い水酸化PCBを慢性投与(1mg/kg/day)することで、ラット胎児に対する胎生期暴露を行った。次いで生後一日目の雄新生仔脳(大脳皮質、海馬、線条体)を回収し、甲状腺ホルモンに対する水酸化PCBの影響評価のため、甲状腺ホルモン依存性遺伝子の発現変化によって確認するとともに、マイクロアレイを用いて網羅的発現解析を行った。その結果、本実験で用いた水酸化PCBは甲状腺ホルモンのアンタゴニストとして作用し、グルタミン酸受容体の発現低下を引き起こすことで、グルタミン酸作動性神経細胞に対して強い攪乱作用を有する可能性があることを示した。これまでの報告の大半は水酸化PCBの甲状腺ホルモン攪乱作用をin vitro実験により示したものであるが、本研究は、in vivoでの二世代実験を行っている点、さらにはヒトの曝露状態に近似させるため、皮下埋没式浸透圧ポンプを用いて水酸化PCBを慢性曝露している点に特色かおる。本研究成果は学術雑誌に投稿し掲載済みである。
|
Report
(2 results)
Research Products
(5 results)