グルコースが卵胞機能調節に果たす役割とその作用機序の解明
Project/Area Number |
07J10300
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied animal science
|
Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
西本 博美 Iwate University, 連合農学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2007 – 2008
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 畜産学 / ウシ / 生殖科学 / 卵胞成熟 / グルコース代謝 / 遺伝子発現 / 酵素活性 |
Research Abstract |
【目的】卵胞は、発育、排卵、黄体化を経験するなど、最も活発な活動を営む組織の一つである。その活動は、エネルギーおよび基質生成の中心的な代謝経路である、解糖系によって支えられている。以上の事から、卵胞細胞における解糖の調節は、卵胞の活動や生死に影響を及ぼすと考えられる。しかし、卵巣における解糖については殆ど研究されていない。申請者はこれまでに、ウシ卵胞発育、排卵、黄体成長、退行、および卵胞閉鎖に伴い、糖輸送体および解糖系律速酵素の遺伝子発現が変動する事を明らかにし、卵巣の局所的な糖代謝調節機構の存在を示唆した。今年度の研究では、顆粒層細胞(GC)の分化に関わる卵胞刺激ホルモン(FSH)、およびインスリン、ならびにインスリン様成長因子-Iによる、培養GCにおける糖輸送体および解糖系律速酵素の遺伝子発現調節、およびその意義を明らかにす、る事を目的とした。【結果・考察】本研究から、FSHは1.GCにおける上記遺伝子の発現を増加させる事、2.嫌気的組織で優勢な発現を示す乳酸脱水素酵素(LDH)A遺伝子を増加させる一方で、好気的組織で優勢なLDHB遺伝子の発現に影響を与えない事、および3.LDHA/LDHB比を遺伝子および酵素活性レベルで増加させる事が明らかとなった。また、代謝ホルモンも同様にLDHA/LDHB遺伝子発現比を上昇させた。以上の結果から、GC分化において、解糖の嫌気的代謝へのシフトは重要である事が示唆された。分化したGCはエストラジオール(E2)を分泌し、E2産生では酸素が消費される。そこで、GC分化における嫌気的解糖および酸素の重要性を解析するために、培養GCをLDH阻害および低酸素下に暴露した。その結果、各処置によってE2生産が抑制され、嫌気的解糖および酸素分圧はE2生産と関わりがある事が示唆された。本研究から、GC分化に伴う嫌気的解糖へのシフトは、好気的代謝による酸素消費を抑え、E2生産に必要な酸素を保存するための調節機構である可能性が示唆された。
|
Report
(2 results)
Research Products
(2 results)