胃上皮特異的プロモーター・JCV /TGマウスモデルによるJCVの胃癌原性の解明
Project/Area Number |
08F08121
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Experimental pathology
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Research Institution | Kanagawa Cancer Center Research Institute (2010) University of Toyama (2008-2009) |
Principal Investigator |
高野 康雄 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), 臨床研究所, 所長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鄭 華川 中国医科大学, 生化学分子生物学講座, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2010: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2009: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | JC virus / T抗原 / トタンスジェニックマウス / 胃癌 / 癌遺伝子 / 胃癌原性 / 肺癌原性 / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
胃の粘膜上皮に特的に発現するプロモーターK-19とJCV T抗原を結合した融合遺伝子を作成し、その融合遺伝子をマウス胚細胞に注入し、トランスジェニック(TG)マウスを作成した。このTGマウスでは、JCV T抗原が胃の粘膜上皮のみに発現し、JCV T抗原が大量に作られ、胃癌が発生することが期待された。この実験に適したTGマウスの系統が3系統でき、それぞれ比較検討し、2種類を実験に供した。RT-PCR, Western blot,免疫組織化学では、JCV T抗原は、胃粘膜上皮に高発現していた。しかし、24週令、48週令のTGマウスの胃粘膜には腫瘍は発生しなかった。 他方、このTGマウスは気管支上皮にも特異的にJCV T抗原を発現した。K-19プロモーターはサイトケラチン19を誘導するプロモーターである。サイトケラチン19は胃粘膜上皮に多く存在するが、気管支上皮にも存在する。従って、このTGマウスの気管支上皮にもJCV T抗原が発現しても不思議ではない。このTGマウスでは24週令、48週令の気管支上皮に過形成が散在性に認められた。われわれは、JCV T抗原は直接的に癌を発生させる癌蛋白ではなく、肺癌発生の母地である過形成を起こすものであり、発癌の危険因子であろうと考えた。そこで、ニコチン代謝産物であり、喫煙肺発癌実験に最も頻繁に使用される化学物質であるNNKを投与する実験を行った。その結果、32週令のNNK非投与群では肺癌は発生しなかったが、NNK投与群では5%のマウスに肺がんが発生した。 これらの実験と並行して、水晶体上皮に特異的に発現するプロモーターαクリスタリンとJCV T抗原との融合遺伝子を遺伝子導入したTGマウスを作成した。48週令では、TGマウスのほぼ半分に眼球腫瘍が発生した。現在、JCV T抗原はαクリスタリンプロモーターでは強い発癌作用があるのに、k19プロモーターでは発癌作用が弱いことの生物学的な根拠を探索している。
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Report
(3 results)
Research Products
(25 results)