二ホウ化マグネシウム超伝導線材における有機物添加効果に関する研究
Project/Area Number |
08F08613
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Inorganic materials/Physical properties
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
熊倉 浩明 National Institute for Materials Science, 超伝導材料センター, センター長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KIM JungHo 独立行政法人物質・材料研究機構, 超伝導材料センター, 外国人特別研究員
KIM Jung Ho 独立行政法人物質・材料研究機構, 超伝導材料センター, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2008: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 二ホウ化マグネシウム / パウダー・イン・チューブ法 / アモルファス / 不純物添加 / リンゴ酸 / 臨界電流密度 / ニホウ化マグネシウム |
Research Abstract |
MgB_2は金属系超伝導体であるにも関わらず39Kの高い超伝導転移温度を有するため、世界的に線材化研究が急ピッチで進められている。しかしながら現在のMgB_2線材は、実用上最も重要な臨界電流密度が十分でない、という難点があり、これを克服するために芳香族炭化水素等の有機物を原料粉末に添加する研究が行われている。また、ボロン原料粉末も重要であり、ボロン粉末によって超伝導特性が大きく異なることが報告されている。そこで本研究では、結晶ボロン粉末ならびにアモルファスボロン粉末を原料粉末とし、有機物としてリンゴ酸(C_4H_6O_5)を添加してパウダー・イン・チューブ法で線材を作製し、臨界電流特性を調べた。その結果、臨界電流特性はアモルファスボロンの方が結晶性ボロンよりもはるかに高いことがわかった。これは、アモルファスボロンの方が結晶性ボロンよりも熱力学的に不安定であり、より低温の熱処報でMgとの反応が進むためと考えられる。また、低温でMgB_2を合成できるために、生成されるMgB_2結晶粒が微細であり、結晶粒界における磁束線ピン止め点の観点からも有利である。しかしながら1~2テスラの低い磁界領域においては、結晶性ボロンを使った線材の方がアモルファスボロンを使った線材よりも高い臨界電流密度を示す傾向があり、これは結晶ボロンを使った方が結晶性の高いMgB_2が得られるためと考えられる。また結晶性ボロンにおいては、斜方晶系の結晶構造を持つが、双晶や積層欠陥などの多くの欠陥を有していることがわかった。ボールミル等でさらに多くの欠陥を導入することができれば、アモルファスボロンと同レベルの不安定性に近づき、原料粉末として使うことも可能であると考えられる。リンゴ酸を添加した線材では、アモルファスボロンを使った線材で10Tの磁界,4.2Kの温度において、25,000A/cm^2という、MgB_2線材として非常に高い臨界電流密度の得られることがわかった。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)