Project/Area Number |
08J00660
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Building structures/materials
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
肥田 剛典 Kyoto University, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 液状化 / 杭基礎 / 遠心載荷実験 / 杭剛性 / 免震構造物 / RC杭 / 損傷評価 / カオス時系列解析 / 時間遅れ座標系 / アトラクタ / 破壊 / 健全性評価 |
Research Abstract |
液状化地盤では長周期振動が卓越して免震構造物が共振し、構造物の擁壁への衝突や積層ゴムの損傷などの可能性がある。また、免震構造物では、基礎の傾斜の影響によって積層ゴムの水平剛性が低下するため、杭の耐震性は重要である。そこで、杭剛性をパラメータとした液状化地盤-杭-免震構造物系の動的遠心載荷実験を行い、杭剛性が免震構造物の応答と杭応力に及ぼす影響を検討した。低剛性杭の杭先端せん断力は、高剛性杭より小さくなった。これは、低剛性杭の基礎部は地盤に追従して変位する傾向が強く、低剛性杭の基礎根入れ部に作用する土圧摩擦合力が、高剛性杭より小さくなったためである。一方、低剛性杭の免震層変位は、高剛性杭より大きくなった。これは、構造物固有周期付近の周期帯において、低剛性杭の基礎部加速度の振幅が、高剛性杭より大きくなったためと考えられる。これから、低剛性杭を用いた免震構造物の設計において、免震層のクリアランスへの配慮が必要と考えられる。 杭基礎構造物の安全性を検討するためには、大地震後の杭基礎の健全性を評価することが重要となる。そこで、大型せん断土槽を用いたRC杭破壊実験のデータを用いて、複雑系の概念に基づくカオス時系列解析を用いた杭の損傷評価手法を検討した。本震(最大加速度310cm/s^2)の前後に、前震と余震(最大加速度30cm/s^2)を想定した加振が行われた。本震で地盤が液状化し、RC杭が破壊した。カオス時系列解析では、時系列データを時間遅れ座標系に埋め込んで構成される「アトラクタ」と呼ばれる多様体を用いて、システムの挙動特性を検討する。アトラクタの形状は前震と余震で異なった。アトラクタの形状は系の挙動特性によって異なることを考慮すると、杭の損傷によって構造物の挙動特性に変化が生じたと考えられる。これから、カオス時系列解析を用いて杭の損傷を検出できる可能性のあることが分かった。
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