癌抗原特異的T細胞を用いた新たな新たな癌ワクチンの開発とその臨床応用
Project/Area Number |
08J01343
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Medical pharmacy
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大栗 敬幸 Hokkaido University, 大学院・医学研究科, 特別研究員(DN2)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | ヘルパーT細胞 / 免疫細胞療法 |
Research Abstract |
1、免疫不全マウスを用いて、ヒト癌特異的Th1細胞の抗腫瘍効果をin vivoにて解析した。NK細胞感受性である細胞株をマウスに皮内接種し、腫瘍塊が形成された後に、PBMCと癌特異的Th1細胞をペプチドとともに腫瘍内投与することにより腫瘍塊が小さくなることが確認された。また、PBMC中のNK細胞を除去すると、この効果が見られなくなったことから、ペプチドで活性化したTh1細胞によってNK細胞の細胞傷害活性が増強されたことが示唆された。実際にin vitroでの検討において、Th1細胞から産生されるIL-2によりNK細胞の細胞傷害活性が増強されることが明らかとなった。さらにNK細胞に非感受性である細胞株を用いた場合にもマウス生体内にて癌特異的Th1細胞の抗腫瘍効果が認められた。この詳しいメカニズムは今後の課題である。以上のことからヒト癌特異的Th1細胞を活性化することにより生体内においても抗腫瘍効果が認められることが明らかとなり、Th1細胞の臨床試験への応用が期待される。 2、Th1細胞を用いたTh1細胞療法の臨床試験を実用化するための基盤研究として、短期間で完了する癌特異的ヒトTh1細胞の誘導方法の開発を行なった。制御性T細胞は免疫応答を負に制御する働きがあることが知られており、この細胞群を取り除くことにより、癌特異的Th1細胞の誘導効率が高くなることが予想される。そこで、制御性T細胞に発現が認められるCD25分子に対する抗体を処理したプレートで末梢血リンパ球を培養した。その結果、することにより制御性T細胞を除去できることが確認された。このリンパ球を用いて、癌特異的Th1細胞の誘導を試みたところ、誘導効率の上昇が有意に見られた。癌患者においては癌細胞から産生される悪性因子により制御性T細胞がより多く存在していることが知られており、癌患者由来リンパ球から癌特異的Th1細胞を誘導する際にはこの誘導方法は非常に有益になるものと期待される。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)