脳磁場計測によるトップダウン注意の神経メカニズムの解明
Project/Area Number |
08J01630
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Cognitive science
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
綾部 友亮 The Graduate University for Advanced Studies, 生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2009: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2008: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 脳磁場計測 / トップダウン注意 / 空間的注意 / 物体的注意 / 脳磁場計測(MEG) / 前頭-頭頂ネットワーク |
Research Abstract |
本年度は、脳磁場計測(MEG)による空間的トップダウン注意の神経メカニズムの解明を目的とした。実験刺激として、ディスプレイの左右に顔と家の画像を呈示し、中央には注視点として+かxのいずれかが呈示された。顔・家画像は常にペアで呈示され、左右の呈示確率はランダムであった。顔、家画像は初年度の研究の刺激と同一であった。実験条件には、顔か家のいずれかに注意を向ける条件(顔注意条件・家注意条件)であった。統制条件として注視点の+とxを弁別する条件を設定した。その結果、顔注意・家注意で両側半球の一次視覚皮質で100ミリ秒、後頭-側頭領域で170ミリ秒、上側頭溝(STS)において、およそ260ミリ秒で有意なMEG反応が見られた。顔注意条件では、顔刺激が呈示された視野に関わらず右半球の後頭-側頭領域の170ミリ秒およびSTSの260ミリ秒のMEG反応が増加した。一方、家注意条件では、右半球のSTSの260ミリ秒の活動のみが上昇した。一次視覚皮質は単純な輝度変化に、後側頭領域は顔や家といった物体の形態処理に、そしてSTSは物体の詳細な処理に関連していることが知られている。本研究の結果は、同一の刺激を見たときでも、顔に対する注意の方が家に対する注意と比べて早期の形態処理の段階から空間的トップダウン注意の影響を受けていることが明らかになった。ヒトにとって顔は社会生活をおくる上で最も重要な刺激であるため、空間的トップダウン注意による顔処理の優位性を反映したものであると考えられる。本研究の結果は、初年度に行った物体的トップダウン注意による神経活動の時間的変化と一致している。これらの結果は物体的・空間的トップダウン注意は同一の神経メカニズムによって実現されていることを示唆するものである。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)