新しいイミダゾール誘導体の合成と機能性超分子への展開
Project/Area Number |
08J01788
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
焼山 佑美 Osaka University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 超分子集合体 / 水素結合相互作用 / 多重らせん構造 / オリゴイミダゾール類 |
Research Abstract |
前年度に得られたオリゴイミダゾール類を配位子とする三重ヘリケートに関しての知見を元に、機能性分子集合体への応用を検討した。具体的には、量子コンピュータ実現に必要不可欠な多qubit化に関しての問題をクリアできるLloyd型一次元周期モデルのプロトタイプとして、2 qubit系と見なすことできる424-Qimの硝酸マンガン(II)錯体に着目し、X線結晶構造解析および固体ESRスペクトルにより、そのqubitとしての可能性を探った。 まず、ヘリケート間のスピン相互作用抑制のためにMn(II)錯体と反磁性錯体であるZn(II)錯体との磁気的希釈単結晶を作成した。得られた希釈単結晶中で形成されている三重ヘリケートの構造的特徴は、本研究でこれまでに得られたヘリケートと同程度であった。同程度の金属イオン間距離を有するMn(II)錯体において、ESRスペクトルの結果よりヘリケート内におけるスピン相互作用はほとんどないことを既に前年度に明らかにしている。従って、希釈単結晶中を構成するヘリケート内のスピン相互作用も非常に弱いことが示唆された。また、結晶中ではヘリケート間で水素結合を形成することにより、ネットワーク構造が構築されていた。このように柔軟な水素結合による集積化過程において、Mn(II)錯体はZn(II)錯体の結晶格子中に効果的に取り込まれていると考えられる。さらに、固体ESRスペクトル測定においては、ヘリケート内の二つのMn(II)イオンに由来する2組の6本線が観測された。以上の結果は、Lloydモデルが必要とする条件をすべて満たしており、424-QimのMn(II)錯体が2 qubit系の有効なプロトタイプとなることを実験的に証明している。この成果は、有機化学を基盤として、Lloydモデル構築のためのアプローチを初めて提案したものとして大変意義深い。
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Report
(2 results)
Research Products
(26 results)