Alcadein代謝物β-Alcの生成機構とアルツハイマー病診断マーカーへの応用
Project/Area Number |
08J02153
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
羽田 沙緒里 Hokkaido University, 大学院・生命科学院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | アルツハイマー病 / Alcadein / γ-secretase / バイオマーカー / γセクレターゼ |
Research Abstract |
アルツハイマー病(AD)は認知症の大部分を占める神経疾患であるが、発症原因は未知な部分が多く、また確実な早期診断法、根本的な治療法は確立されていない。AD発症に関与すると考えられているAβは、APPから二段階の切断によって産生・分泌されるが、このAPPと複合体を形成する分子としてAlcadein(Alc)を単離・同定した。AlcはAlcα、Alcβ、Alcγというファミリー分子により構成されているおり、APPと同様に二段階の切断を受けることによりAβ様ペプチドであるβ-Alc(p3-Alcと改称した)を細胞外に分泌する。これまでに培養細胞を用いた実験よりp3-Alcが生体内におけるAβ42/40の産生比率の変化を反映しうる分子としてADの早期診断マーカーとなる可能性があることを示してきた。 本年度、私はヒト生体内でのp3-Alcの切断様式を調べるために、AD患者の脳脊髄液中におけるp3-AlcαのIP-MS解析をおこなった。その結果、AD患者においてp3-AlcαとAβは、コントロール群や他の神経疾患患者とは異なった相関傾向にあることを示し、AD患者ではγセクレターゼ機能異常があることを示唆した。 また、p3-Alcβ・のγセクレター切断サイトがことなるペプチドをそれぞれ断端特異的に定量可能なsELISAの系を作成した。これを用いて、PS1に遺伝子変異を持つ家族性アルツハイマー病家系のヒトのCSF中のp3-Alcβの定量を行い、γセクレターゼ切断サイトが異なるペプチドの比率を求めたところ、培養細胞と同様にその比率が変化していることを明らかとした。使用したCSFはAD発症前のヒトのサンプルであったことから、p3-AlcはAD発症前のγセクレターゼの機能変化をとらえることができるペプチドであることが示唆され、ADの新規バイオマーカーとして有用である可能性があることがわかった。
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)