Project/Area Number |
08J02346
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Immunology
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
金関 貴幸 札幌医科大学, 医学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2009: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2008: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | ERAAP / MHCクラスI / 抗原ペプチド / 抗原プロセシング / 小胞体 / tapasin / 抗原提示 / MHC / ERAPP / アミノペプチダーゼ / ペプチドトリミング |
Research Abstract |
感染細胞やがん細胞などの免疫学的な監視においてはCD8^+T細胞による標的細胞の認識、つまり抗原ペプチドとMHCクラスI複合体の認識が重要である。内在性に発現した抗原蛋白はプロテアソーム処理の後にTAP経由で小胞体内へ輸送されMHCクラスI上に提示されるが、近年になりこの抗原ペプチドをつくりだす作業は細胞質だけではなく小胞体内でも起きていることがわかってきた。小胞体にはアミノペプチダーゼであるERAAPが存在し、運ばれてくる前駆体ペプチドを適切に処理し最終ペプチドを完成させる役割を担う。 採用初年度に、当初の目的であったMHCクラスI上に特定のペプチドが選択的に提示される仕組みを解明し論文報告した(1)。また次年度には、ERAAP欠損細胞のMHCクラスI上に提示されるペプチド群をラージスケールマススペクトロメトリー解析し、これらが正常とは異なり不自然に長いペプチド群であることを示した(2)。 本年度では、ERAAP同様の小胞体局在型分子であるtapasinの機能に着目して解析を行った。TapasinはMHCクラスI分子のシャペロンであり、peptide loading complex (PLC)の形成に必須である。 ここで我々は野生型マウスにtapasin欠損マウス由来の細胞を免疫することにより、tapasin欠損細胞では免疫原性のある新規ペプチドが提示されてくることを明らかにした。これらのペプチド群は正常では細胞に提示されず、tapasin欠損下においてのみ提示される。興味深いことにこれらのペプチド群はERAAP欠損細胞には提示されない。つまりアミノペプチダーゼであるERAAPと分子シャペロンであるtapasinによる抗原提示の調節機構は互いに区別されるものであることを示唆している。さらに我々はtapasin欠損細胞のMHCクラスI分子に提示されるペプチド群をマススペクトロメトリー解析し、これらのペプチドが実際に野生型マウスでCD8^+T細胞応答を誘導できることを示した 以上の結果は、ERAAPまたはtapasinを介したMHCクラスI抗原処理の分子機構を説明するだけではなく、通常宿主免疫には認識されない正常な細胞がこれらの分子欠損により免疫応答の標的となり得ることを示している。 (1) Kanaseki T, Shastri N.J Immunol. 2008 Nov 1 ; 181 (9) : 6275-82. (2) Blanchard N, Kanaseki T, et al J Immunol. 2010 Mar 15 ; 184 (6) : 3033-42. Epub 2010 Feb 19.
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