Project/Area Number |
08J02414
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
General medical chemistry
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
森田 梨津子 Tokyo University of Science, 基礎工学研究科, 特別研究員DC2
|
Project Period (FY) |
2008 – 2009
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
|
Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
|
Keywords | 全能性幹細胞 / ES細胞 / 歯 / 再生医療 |
Research Abstract |
本研究課題では、多能性幹細胞能を有するEmbryonic stem(ES)細胞から歯形成能を有する細胞を誘導して、ES細胞に由来する歯を形成誘導することを目的とした。 1.全能性幹細胞からの歯形成能を有する間葉細胞の誘導 ES細胞から間葉細胞を取得するため、各種分化誘導法を試みるとともに遺伝子導入による歯胚間葉細胞への転換を検討したものの、取得した細胞と歯胚上皮組織との再構成から、歯の形成を認められなかった。以上の結果から、これらの遺伝子の中には歯原性間葉細胞への転換を誘導する遺伝子は存在しないと判断した。 2.全能性幹細胞からの歯形成能を有する上皮細胞の誘導 昨年度までに、ES細胞から分化誘導した上皮組織を、歯胚間葉組織と組み合わせて再構成歯胚を作製すると、硬組織を蓄積する歯の誘導が認められることを報告した。しかし、その歯の形成は非常に低頻度であることから、より歯形成能の高いEB由来上皮組織を選別するため、上皮組織を形態や各種分化マーカーによって分類し、歯の形成を確認した。その結果、歯形成能を有する上皮組織は比較的に分化度の低い上皮組織であることが示唆されたものの、歯形成能と相関するマーカーの特定には至らなかっだ。また、各種遺伝子の導入による歯形成上皮組織への転換を目指したものの、歯の形成頻度の上昇は認められなかった。以上の結果から、上皮・間葉誘導からなる器官の形成を異種細胞から人為的に誘導することは、これらの方法では非常に困難であると考えられた。 3.人為的に作製した歯胚の成体マウス移植システムの構築 ES細胞からの器官誘導には、人為的に誘導した歯胚の発生を評価するin vivoモデルが必要であるため、器官原基法により作製した再生歯胚を用いた成体マウス移植モデルの検討を実験項目に追加し、実施した。昨年度は、成体マウス口腔内に移植した再生歯胚が、正常に萌出して機能的な歯にまで成長することを報告した。今年度は、さらに長期的な経過観察を実施し、正常な歯と同等に長期にわたり機能する歯であるかどうかを解析した。その結果、6か月以上にわたり再生歯は安定して口腔内に生着し続けること、生理的に移動しながら長期にわたって対合歯と適切な咬合を維持することを明らかにした。以上の結果より、再生歯胚を成体マウスへ移植するシステムの構築に成功し、人為的に再生した器官原基から発生プログラムを利用して成体内で器官を再生させるという概念の構築に貢献した。
|