実験生物学および情報生物学による哺乳類体内時計機構の解析
Project/Area Number |
08J02726
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Bioinformatics/Life informatics
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小川 雪乃 慶應義塾大学, 政策・メディア研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2010: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 概日リズム / 哺乳類 / 遺伝子発現 / 数理モデル / 時系列シミュレーション / ポジティブフィードバック制御 / 遺伝子発現制御 / 振動位相 / プロモーター活性 / mRNA分解速度 / フィードバック制御 / コンピュータシミュレーション |
Research Abstract |
哺乳類概日時計において、時計遺伝子Per2の発現位相がPER1およびPER2タンパク質による転写ポジティブフィードバック制御を受けて遅延していることをこれまでの研究で明らかにした。本年度は、Per1とPer2mRNAの転写強度と分解速度の測定値を適用した概日振動ネットワークの数理モデルを用いて、Per2ポジティブフィードバック制御の機能について解析を行った。はじめに数理モデルで用いる転写速度式について検討し、転写活性化因子のみによる転写制御を表現するHill式が上に凸の発現パターンを再現することから、定量PCRを用いて測定したPer1/Per2mRNAの振動波形の表現に適合することを示した。続いてPer2ポジティブフィードバック制御を含むモデルと含まないモデルの比較解析を行ったところ、前者のみが振動解と定常解を持ち、双安定性を示すことが判った。ここで、Per7およびPer2の転写が光刺激によって誘導されることを考慮して光刺激のシミュレーションを行うと、刺激の強度に応じて位相シフトが起こるが、強い光刺激によりPER1/PER2タンパク質量が増加し境界値を越えた場合には振動解が定常解へと移動することがわかった。ところで、これまでの解析は恒暗条件を仮定していたため、実際の生物が曝されている明暗条件を仮定してシミュレーションを行った。この時、恒暗条件では23.5時間であった概日振動周期は24時間の明暗条件に同調し、Per1とPer2の発現位相差が恒暗条件下よりも拡大した。このことから、光刺激の作用はPer2の位相遅れの程度に反映される可能性が示された。以上、概日振動機構におけるPer2ポジティブフィードバック制御の機能についてシミュレーション解析に基づき示唆を得ることができた。研究成果は国内外3つの学会にて発表し、また成果をまとめた論文は国際論文誌PLoS ONEに採択された。
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Report
(3 results)
Research Products
(10 results)