Project/Area Number |
08J03403
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Basic veterinary science/Basic zootechnical science
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
村上 真津香 Hokkaido University, 大学院・獣医学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 炎症性腸疾患 / 腸管神経系 / 腸管グリア細胞 / キチン / 樹状細胞 / 腸管上皮細胞 / enteric glia / enteric neuron / bradykinin / interleukin-1β / lipopolysacharide / prostaglandin E_2 / B1 receptor / cyclooxygenase-2 |
Research Abstract |
【目的と方法】報告者は、in vitroモデルを用いた結果より、炎症性物質が腸管グリア機能を変化させた結果、腸管神経系の機能異常が生じていることを示唆した。このことは腸管グリアが炎症性腸疾患病態に関与する可能性を示すものである。腸管グリアは腸管神経細胞のみならず、腸管上皮細胞や腸管免疫系細胞とも相互作用する。また、炎症性腸疾患の代表的疾患のひとつである潰瘍性大腸炎の病態には、Th2に傾いた免疫バランスの崩れが関与していることが報告されている。そこで、サイズ依存性にTh1免疫系のみを賦活することが報告されているキチンを潰瘍性大腸炎モデルであるTCRαノックアウトマウスに投与することにより、キチンの治療効果の有無とその際の腸管グリアの関与を評価した。【結果】キチン投与群では対照群と比較して潰瘍性大腸炎症状が臨床的・組織学的に有意に改善され、その時に腸管上皮細胞の損傷が著しく抑制されていることが分かった。さらに腸管膜リンパ節、パイエルパッチ、脾臓における樹状細胞からのIL-10、IFN-γの放出量の増大、またIL-4、IL-5やTNF-α放出量の減少が示された。しかしながら、樹状細胞とキチンを共培養しても、サイトカイン動態などの変化は認められず、キチンは樹状細胞とは間接作用すると考えられる。一方、ヒト結腸上皮細胞セルラインであるCaco-2、SW480では、共培養により1~24時間でキチンの細胞内部移行が認められ、さらにキチンの受容体であるTLR2、マンノース受容体、Chitinase 3-Like 1について、前者mRNA発現が増強し、後二者の発現が減少していることが明らかとなった。さらにIFκBリン酸化が増強され、Aktリン酸化が抑制され、キチンとの直接作用が示された。現在はキチン、樹状細胞、上皮細胞、腸管グリアの相互作用について検討中である。
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