イノラートを用いた回転選択的オレフィン化反応の体系化と機能性分子の合成
Project/Area Number |
08J04914
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Chemical pharmacy
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉川 孝 Kyushu University, 先導物質化学研究所, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2008 – 2009
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
|
Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
|
Keywords | イノラート / 回転選択性 / オレフィン化 / テトロン酸 / ピロン / 立体選択的反応 / アルキニル基 / 分子内環化 / 理論化学計算 / 二次軌道相互作用 |
Research Abstract |
イノラートを用いた回転選択的オレフィン化反応を精査するため、アルキン酸エステルのオレフィン化を行い、一般性を検討した。また、応用展開として、得られたオレフィンの分子内環化を試みた。 まず、イノラートとアルキン酸エステルとの反応を行ったところ、アルコキシ基がoutward回転したE-オレフィンが高収率・高立体選択的に得られた。すなわち、アルコキシ基はアルキニル基に比べより強い電子受容性基として機能したことになる。また、本反応が高い基質一般性を有していることが明らかになった。 次に、得られたオレフィンの分子内環化を試みた。まず、DMF中炭酸銀を触媒とすると、選択的に5-exo環化が進行しテトロン酸が得られた。一方、塩化メチレン中炭酸銀に加え酢酸(ブレンステッド酸)を共存させることにより、選択的6-endo環化が進行しピロンを得ることに成功した。 さらに本環化反応の応用として、両環化体の細胞毒性を評価した。その結果、TES置換のテトロン酸が最も強い毒性を示し、そのIC_<50>は24.7μMであった。 以上、イノラートを用いたアルキン酸エステルのオレフィン化反応において、高度な回転選択性の制御を実現し、アルキニル基に比ベアルコキシ基がより強い電子供与性基であることを明らかにした。また、得られたオレフィンの分子内環化を行い、テトロン酸とピロンの選択的合成に成功した。本反応は、短工程で調製可能なエンインカルボン酸から簡便な操作でテトロン酸とピロンを作り分けることのできる、有用な手法と考えられる。
|
Report
(2 results)
Research Products
(15 results)