単一分子イオンのトラッピングと冷却~周波数標準から量子計算機まで~
Project/Area Number |
08J06222
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied optics/Quantum optical engineering
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小野田 有吾 Kyoto University, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | イオントラップ / 周波数標準 / イッテルビウムイオン / Yb / 電気共鳴法 / 電荷交換 / 飽和吸収分光 / 非線形光学結晶 / 第二高調波発生 |
Research Abstract |
周波数標準と量子計算機への応用を目的として,単一分子イオンの捕捉とレーザ冷却を試みている.本年度は昨年度開発した第一励起レーザに引き続きYb^+の生成に必要な第二励起レーザ(外部共振器型半導体レーザ)を開発した.共振器長を短くする(9mm)ことで最大電流においてもシングルモード発振を得ることができるようになった.これらのレーザを用いてイオントラップ内に捕捉されたイオンを電気共鳴法により検出した.そしてイオンの導入開始時の傾きからYbの第二励起波長に対するイオン導入速度を測定した.この結果はシンクロトロン放射光を用いたイオン化断面積と類似したものであった.この事から電気共鳴法によってもイオンの導入速度を求めることができるといえる.また本手法によりRydberg準位(6s23s^1S_0:398.998nm,6s24s^1S_0:398.515nm)を観測することにも成功した.電荷交換(^<174>Yb^++^<171>Yb⇔^<171>Yb^++^<174>Yb)の現象も本手法により観測することが可能である.同位体の質量の違いにより共鳴周波数が変化することから検出電圧もそれに付随して変化することため観測可能である.そして照射する中性Ybの量に電荷交換の速度が比例することも確認した. この研究の過程においてレーザ波長を知るために飽和吸収分光を行っている.この時,ランプの電流を増やしランプ内のYbの量を変化させることで同位体のシグナル強度が変化することを確認した.存在比の大きい174や172は電流値が低い時,ポンプ光によって飽和されプローブ光が透過することでピークが検出される.この時,存在比の小さい176や171の信号は小さいため観測されない.ランプの電流を上げるにつれ存在比の多い174や176はポンプ光で飽和できない程の量となり結果としてプローブ光までも吸収してしまうようになり信号は小さくなっていく.一方,存在比の小さい176や171は量が増えることで信号が大きくなりピークがより検出されるようになる.これはYbに限らず他の原子の飽和吸収分光において成り立つ現象である.
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)