Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Research Abstract |
地球上のほぼすべての環境において,地表面上(海底面上)だけでなく,堆積物の中にも多くの生物が生息している.地表面上に生息する生物と同様に,こうした埋在性底生生物も多様な行動生態(行動パターン)を有していることが予想される.埋在性底生生物も生態系の主要な構成要素であるため,それらの生態を理解することは生態系全体を考える上で非常に重要である.しかしながら,埋在性底生生物が堆積物中でどのように行動しているかについては,現在のところほぼ未解明である.なぜなら,彼らは常に地表面下に埋もれて活動するために,その行動を野外で直接観察することが不可能なためである. 本研究では,地形変化が活発に起こる砂浜海岸に生息する底生生物(多毛類Euzonus)を材料とし,底生生物の行動生態および地形変化作用との関連性を世界で初めて定量的に明らかにした.本研究の最大の特徴は,堆積物中での底生生物の活動を記録したものである"生痕(這い後・巣穴など)"に着目したことである.生痕を解析することにより,堆積物中に埋もれて生息する生物の「見えない」行動を如実に明らかにすることが可能となる.さらには,応募者は,砂浜海岸の地形変化の観測をも合わせて行い,地形変化作用の規模によって底生生物の行動パターンや生息域が変化することを明らかにした.このように,砂浜海岸における物理環境と生物行動との関連性を理解し,砂浜海岸の生態系を保全するうえで貴重な情報を提供した.
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