Project/Area Number |
08J08536
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Bacteriology (including Mycology)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
氣駕 恒太朗 東京大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2010: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 細菌感染 / microRNA / バイオインフォマティクス / 発癌 / 遺伝子発現抑制 |
Research Abstract |
microRNAはさまざまな条件・状況下で発現変化し、標的遺伝子を配列特異的に調節することで、多様な生命現象を引き起こすが知られている。しかしながら、細菌の感染現象におけるmicroRNAの役割はほとんど解明されていない。菌の感染にmicroRNAが関与していることを知るためには、菌の感染で発現変化するmicroRNAを見出す必要がある。昨年度までの研究では、赤痢菌を始め、ピロリ菌、結核菌、リステリア菌、サルモネラ菌、黄色ブドウ球菌等のさまざまな細菌の感染で共通して発現上昇するmicroRNAを同定することに成功した。中でも、胃癌発症の主要因の一つとして知られるピロリ菌の感染で制御されるmicroRNAの誘導率が非常に高かったため、ピロリ菌に対して集中的に研究を行った。興味深いことに、本microRNAは、胃上皮細胞の増殖を抑制することが分かった。microRNAがどのようにして胃上皮細胞の抑制を行っているかを調べるために、バイオインフォマティクス、マイクロアレイのそれぞれからのアプローチを用い、システマティックな標的遺伝子探索を行った。その結果、本microRNAが直接的に標的としている遺伝子が新たに13個見つかり、そのうち3つの遺伝子が胃上皮細胞の増殖に関与していることが示唆された。これらの結果から、細菌感染による細胞増殖抑制メカニズムの一端に本microRNAが関与していることが強く示唆された。本研究成果は、細菌の感染という免疫反応のメカニズムにおいてもmicroRNAという小さなRNAが重要な役割を果たしており、microRNAが感染症の治療や創薬の標的となり得ることを示している。
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