Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2010: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Research Abstract |
(1)合成したアゾベンゼン原料の特性評価から,当初の分子設計では液晶性を発現しないことが予想された.そこで,光駆動性・液晶性については一旦保留し,ビニル基を有する輪成分を用いた[3]ロタキサン型架橋剤の合成を検討した(下記). (2)軸成分の末端に輪成分の空孔と相補的なサイズの置換基を導入した[3]ロタキサンの型架橋剤を合成した.これをビニルモノマーのラジカル重合系に少量添加すると,対応する架橋高分子が効率よく得られた.この架橋高分子は溶媒膨潤性に優れ,ビニルモノマーの性質を反映した物性を示した.また,対アニオン交換反応によって定量的・選択的な解架橋が達成され,未架橋高分子が回収された.既存のモノマーを利用して解架橋性の高分子が簡便に得られることから,省資源・リサイクルへの応用が期待される.次に,光塩基発生剤による解架橋を検討したが,良好な結果が得られなかった.そこで,塩基のような外部刺激を必要とせず,単純に光照射のみで分解を実現する架橋剤として,中央部にジスルフィド結合を含むビスアンモニウム塩を用いた[3]ロタキサンを合成した.このロタキサンを用いてビニルモノマーを重合・架橋し.得られたゲルに紫外光を照射すると,照射部分のみが解架橋して溶出し,ゲル表面が凹んだ.これは,ジスルフィド結合のホモリシスで発生したラジカル中間体を経て,ロタキサン構造が解離したためと考えられる.また.このゲルはチオール触媒によっても分解した.これらの反応のメカニズムを低分子を用いた実験から検証した. (3)計画書記載の通り,大環状クラウンエーテルを側鎖に含む高分子を,[2]ロタキサンモノマーの重合と解離反応によって合成した.得られたポリクラウンエーテルの数平均分子量は9万であり,過去に類例のない高分子量体が得られた.この高分子はカチオン分離膜やポリロタキサン合成の出発物質として有用であると考えられる.
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