Project/Area Number |
08J10036
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
原子・分子・量子エレクトロニクス・プラズマ
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
相川 清隆 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2010: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | レーザー冷却 / 誘導Raman遷移 / 光会合 / 冷却原子 / 極性分子 / 超微細構造 / 分子分光 / 極性分子気体 / ボース・アインシュタイン凝縮 / 誘導ラマン遷移 / 双極子-双極子相互作用 / 光格子 |
Research Abstract |
本研究の最終的な目標は、極低温の極性分子気体という全く新たな系の振る舞いを観察することであるが、これまでにこのような系は実現されておらず、極低温の極性分子を得ることそのものが大きな目標となっていた。本研究では、K-41およびRb-87という2種類の極低温原子気体からまずFeshbach共鳴を用いて浅く束縛された分子KRbを生成し、続いてこれを誘導Raman遷移によって安定な振動基底準位へと遷移させる、という方針によってKRbの極低温気体を得る予定であった。しかし、本研究初年度に他グループによってこの方向性での成果が報告されたことから、本研究では方針を変更し、より汎用性が高く、従来の手法より100倍以上速く極低温分子を生成できる新たな手法の確立に成功した。第三年度である平成22年度の成果の概要は次の通りである。 まず、レーザー冷却されたK-41およびRb-87から、光会合によって生成した浅く束縛されたKRb分子に対する、高精度分光の手法を開発した。これにより、初めて基底状態XlS+および励起状態(3)1S+の超微細構造の存在を確認すると共に、初めて光会合分子に対する二光子の暗共鳴の観測に成功し、誘導Raman遷移を行うために不可欠となる情報の多くを得た。さらに、光会合で生成した分子から70%以上の効率で誘導Raman遷移を行い、振動・回転基底状態にある極低温極性分子の生成を確認した。光会合と誘導Raman遷移を組み合わせた、この全光学的な極低温極性分子生成手法は、これまで生成できなかった分子種を扱えるようになるばかりでなく、その生成の速さから、極低温分子の精密分光に大きな威力を発揮するものと期待される。
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