Project/Area Number |
08J10092
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Condensed matter physics 1
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
池田 大輔 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 超高エネルギー宇宙線 / GZKカットオフ / テレスコープアレイ実験 / ハイブリッド / 線形加速器 |
Research Abstract |
本年度はTelescope Array(TA)実験において、地表検出器(SD)、大気蛍光望遠鏡(FD)で同時観測された事象(ハイブリッド事象)に対する解析手法を開発した。またこの手法をTA実験で2008年5月から2009年9月までの約1年半の観測で得られた事象に対して適用し、超高エネルギー宇宙線のエネルギースペクトルを測定した。 ハイブリッド事象では、SD,FD両観測データを用いた解析を行なうことで、高精度の再構成を行なうことが出来る。本研究では、旧来のFD単眼解析にSD1台の時間情報を加えたハイブリッド解析手法を開発した。 MCデータを用いて計算したExposureを用いてエネルギースペクトルを測定したところ、誤差の範囲内でHiRes実験の結果と一致した。また、本解析の系統誤差を見積もったところ、エネルギーに対して19%、フラックスに対して12%であった。アパーチャがエネルギーに依存して増大するFD単眼解析と、アパーチャが高エネルギー側で一定となるハイブリッド解析で同等の結果が得られたということは、HiRes実験のFD単眼解析のアパーチャ見積もりの正しさを示唆すると言う点において重要な結果である。 今後、小型の線形加速器(Electron Light Source : ELS)によるエネルギーの絶対較正、トリガエネルギー閾値の低いFDからSDに対してトリガを掛けるハイブリッドトリガーによる低エネルギー拡張を通して、SD,FDによる再構成の違いの解明に取り組む予定である。これはAGASA実験,HiRes実験の不一致に対する、直接的な検証である。これはTA実験が担う最も重要な目的の一つである。 本研究成果は、「Hybrid analysis of ultra-high energy cosmic rays observed with the Telescope Array」という題で、博士論文としてまとめた。また、近い将来、論文として投稿する予定である。
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