Project/Area Number |
08J10193
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Astronomy
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
林 将央 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 銀河形成 / 銀河進化 / 高赤方偏移 / 銀河団 / 星形成活動 / 星形成率 / 金属量 |
Research Abstract |
この研究の目的は、赤方偏移が2の時代に存在する銀河の性質を詳細に調べ、銀河の形成と進化の過程を明らかにすることである。赤方偏移が1から2という時代(約80-100億年前)は、近傍の銀河に存在する恒星の多くが作られ、銀河が激しく進化している時代である。また、現在の宇宙では、銀河の性質に環境依存性があることが知られている。したがって、銀河団という特殊な環境での星形成活動の歴史を明らかにすることは非常に重要である。 我々は、すばる望遠鏡の主焦点カメラ(Suprime-Cam)と近赤外線多天体撮像分光装置(MOIRCS)を用いて、赤方偏移1.46(約90億年前)にあるXMMXCSJ2215.9-1738銀河団における星形成活動の詳細な探査を行った。この銀河団はX線で検出されている現在最も遠方の銀河団の一つであり、これほど遠方の銀河団での詳細な星形成活動の探査は我々の研究が初めてである。NB912狭帯域フィルター撮像観測により、星形成をしている銀河団メンバー銀河の放射する[OII]輝線を全て捕らえた。狭帯域フィルターを用いた輝線探査の利点は、観測される銀河に選択バイアスがなく、その視野に存在する星形成銀河を一網打尽にできる点にある。結果は次の通りである。銀河団中心にも[OII]輝線銀河は多く存在していることがわかった。また、銀河の星形成率や輝線等価幅も銀河団中の場所に依らず、ほぼ一様であることが明らかになった。一方、より近傍の銀河団の中心部に存在する銀河は、すでに星形成活動を終えている。つまり、赤方偏移1.46の銀河団中心部では、低赤方偏移の銀河団中心部とは異なり、星形成活動が依然として活発であることを示唆する。これは高密度領域ほど宇宙初期段階で天体が形成されてきたという先天的効果の銀河形成バイアスが効いていると考えられる。また、近傍の銀河団と比べて、恒星質量の小さな赤い銀河が不足していることが確認された。つまり、近傍へ進化するにつれて、星形成活動が活発な銀河は、より小質量な銀河へと遷移していくと考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)