Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Research Abstract |
1.ミョウガガイScalpellum stearnsiiについて 昨年度,シークエンスを行ったものを再度確認し,さらにマイクロサテライト(以下,msと略す)領域を明確にした。そのms領域をはさむように,プライマーを設計した。Tm温度が決定したもののみ,F鎖側のプライマーを蛍光にした。昨年度,作製した7つの領域に加え,さらに3つの領域の蛍光プライマーを作製した。そのプライマー10組のうち,6組では問題なく増幅した。うち1組は多型を示さず,5組で多型を示した。この5組について,ミョウガガイの父性判定に有用であると判断された。 父性判定の解析には,雌12個体とそれぞれに着生している矮雄全個体(1~14個体),胚各16個体を使用した。矮雄の着生している位置(産卵口の近くのある点からの距離),矮雄の体積を測った。雌は柄部の筋肉から,胚と矮雄は全体からDNAを抽出した。そして,作製した蛍光プライマーを使用したフラグメント解析を行い,父性判定を行った。今回使用したmsマーカーは5組である。これらの解析により,個々の雄の授精成功を検討した。 雌・矮雄・卵塊内の胚の遺伝子型を決定し,それぞれの矮雄の授精成功率を算出した。雌の卵塊ごとに父性を判定したところ,ほぼすべての雌の卵塊が複数の雄により授精されていた(multiple paternity)。次に矮雄が着生している位置(雌の開口部下端からの距離)や矮雄の大きさ(体積)と授精成功率の関係についてみると,矮雄の位置とは関係がなかったが,矮雄の体積とは負の相関があった。よって,小さい雄ほど授精成功が高いことが示唆された。 2.Scalpellum scapellumについて ミョウガガイで開発したmsマーカー5組を使用して,父性判定を行ったところ,1組では父性判定が可能であり,1組では条件を検計すれば可能であることがわかった。
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