24-ハイドロキシコレステロール特異的結合タンパク質の生理的・病理的生義の解明
Project/Area Number |
08J11481
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Functional biochemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宇田川 理 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2010: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | オキシステロール / ORP4 |
Research Abstract |
ORP4は精巣と脳に発現が選択的な発現分布を有するが、精巣においては精子の変態過程において、細胞質の脱離異常に起因する不稔を生じることを明らかにした。脳においては海馬の神経細胞において特に特に強く発現しており、海馬CA1錐体ニューロンのapical dendriteの分岐異常、スパインの減少、また空間記憶学習の異常を生じる事を見出した。染色体の異数性が生じなければ、精子の変態過程に特異的に発生する欠陥はしばしばART(生殖補助技術)によってバイパスできてしまう。これらのものすごい技術は精巣特異的に発現する遺伝子の欠陥に対しては特に有効な手段であるが、例えば脳など他の臓器に対しても発現する遺伝子に対しては、単一遺伝子の変異によって生じる脳の異常を次世代に継承する危険性があるという事を意味しており、本研究のもうひとつの重要なポイントである。 本研究は脳コレステロールの排泄型にすぎないと当初考えられていた24-ハイドロキシコレステロールの生理的意義、並びに病理的意義を明らかにする事が背景に存在し、ステロール結合タンパク質欠損マウスの表現型解析というストラテジーを選択した。24-ハイドロキシコレステロールの産生酵素の欠損マウスは空間記憶学習異常を示すが、この現象が24-ハイドロキシコレステロール自体の重要性故に引き起こされるという可能性を示唆する結果を本研究により得たと考えている。現在ORP4欠損マウス脳おいて、電気生理学的解析(LTP測定)や初代培養細胞系を用いた解析を継続中であり、詳細な分子メカニズムを今後明らかにする。また病理的意義に関しては、アミロイドβを蓄積するAPP-Tgをバックグラウンドにもち、かつORP4欠損させたマウスを増産中である。24-ハイドロキシコレステロールの適切な分布制御、あるいは24-ハイドロキシコレステロールとの結合を介するタンパク質の輸送制御などを通してアルツハイマーを始めとする神経細胞の変性時にORP4がどのように病態へ寄与しているのかを明らかにしたいと考えている。ORP4が属するORPファミリーは哺乳動物では11分子存在するが、個体レベルでの生理的意義は全く明らかになっておらず、本研究はそれを明らかにした初めての報告である。
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Report
(3 results)
Research Products
(5 results)