Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1998: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1997: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Research Abstract |
昨年に引き続き,筋萎縮性側索硬化症(ALS)を中心に,特殊な変性疾患特に複数の変性疾患が合併する症例について,免疫組織化学的検討,電子顕微鏡的検討を行った. まずアルツハイマー型痴呆とパーキンソン病を合併した症例の剖検例を得たので,これについて免疫組織化学的に検討した.次に既に剖検を行い病理学的な検討を行った症例で,最近兄が同じ症状を来たし,両親がいとこ婚であったことから,常染色体劣性遺伝性であることが疑われたALS例を改めて検討した. まずアルツハイマー型痴呆とパーキンソン病を合併した症例は,老人斑の出現量が著しく多く,また通常では見られないような小脳・脳幹部にも多数出現している点で特異的な症例であった.臨床的にはパーキンソン病が先行して発症しておりその点も極めて珍しかった.この症例については,老人斑が小脳にも出現し,形態がクロイツフェルト・ヤコブ病に見られるクルー斑にも似ていることから,パーキンソン病を合併したクロイツフェルト・ヤコブ病の可能性も考えながら神経病理学的検討を行った.しかし、この老人斑は免疫組織化学的にはブリオン蛋白は証明されなかった.また電子顕微鏡的な観察では,この老人斑に特異的な所見は認められなかった. つぎに常染色体性劣性遺伝性ALS例であるが,本症例は大脳皮質に多数のスフェロイドが出現していたことから,非定型なALSと考えていた.本年度になって兄がALSを発症し我々の病院を受診したことから,家族性であることが明かとなったものである.これまでに家族性ALSでは脳内でのニトロチ口シンの発現が知られていることから,本例のスフェロイド内にもこれが発現することが予測された.抗二トロチ口シン伝体を用いて本例の大脳皮質の免疫染色を行ったが,スフェロイドは染色されなかった.
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