機械的ストレスにより生じた骨折遷延治癒における石灰化機序の分子遺伝学的解明
Project/Area Number |
09771092
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Orthopaedic surgery
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
藤井 幸治 徳島大学, 医学部, 助手 (20284325)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1998: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 骨折仮骨 / 力学的ストレス / コラーゲン遺伝子 / 固定 / 骨成形因子 / アルカリフォスファターゼ / 骨折治癒 / I型プロコラーゲン / 機械的ストレス |
Research Abstract |
本研究では、ラット脛骨と腓骨に同時に骨折を作成し、脛骨骨折を固定しないことで腓骨骨折部に力学的不安定性を生じさせることにより、腓骨の仮骨構成細胞の骨化過程に及ぼす影響をType I procollagen alpha chain (proCOL1A)、lysyl oxidase(LOX)、及び alkalinephosphatase(ALP)のmRNA発現量の時間的変化によって検討した。 ラットに作成した大腿骨骨折部において仮骨構成細胞は、骨折部を内固定せず体動によって生じる不安定性に対し、I型コラーゲンなどの骨基質蛋白遺伝子の発現を増加させ基質の三次元的構造を強固にする事で対応していると考えられた。これまで培養骨構成細胞に対しin vitroで様々な機械的ストレスの影響が検討されているが、in vivoで全仮骨構成細胞に対し力学的負荷を与え、骨形成因子の遺伝子発現量に与える影響について詳しく検討した報告は殆どない。今回の実験により、in vivoにおいて仮骨構成細胞は、骨折部に生じた不安定性に対し、Type Iprocollagen、lysyloxidaseの発現量の増加を伴い、コラーゲン線維の合成と架橋形成を促進させ骨基質を強化することで対応していると考えられる。 また、骨折部を内固定し体動によっても骨折部が安定していれば、仮骨構成細胞の、特に骨芽細胞の成熟のスピードは増加する。これは骨芽細胞の成熟度の指標である alkalinephosphatase mRNA発現量は両群とも緩やかに上昇するが、固定群ではALP mRNA発現量が非固定群の2-3倍に達しており、脛骨固定による力学的作用により腓骨骨折部仮骨の骨芽細胞が成熟していることが示唆される。 仮骨構成細胞には、仮骨部の力学的不安定下では骨基質蛋白コラーゲンの合成増加のシグナルが伝達されている。骨芽細胞は力学的安定下でより成熟しやすいものと考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)