Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
本研究では、葉緑体の分化と光合成機能維持に関わる鍵因子としてFtsHとTHF1に着目し、それらの相互作用について解析を進めた。前年度までの研究で、FtsHとTHF1の直接的な相互作用は否定されたので、THF1が光化学系IIの周辺、特にアンテナタンパク質LHCIIと相互作用する可能性について検討した。その結果in vivoあるいはin vitroの実験ともにTHF1がLhcb1,2,3と直接結合することが示された。したがって、THF1はLHCIIと結合することでアンテナ分解の制御に関与し、一方でFtsHはチラコイド膜結合方プロテアーゼとしてLHCIIタンパク質を分解し、それらが間接的に作用することでチラコイド膜の維持に関わっていることが推察された。本研究では更に、新たなチラコイド膜形成因子としてVIPP1タンパク質に着目し、それらの詳細を調べる研究を22年度の後半より行った。これまでの知見から、VIPP1は膜小胞によりチラコイド膜の形成に関わると推論されてきたが、本研究により、VIPP1の多くが包膜にも局在しており、葉緑体包膜の維持に関わる可能性が強く示唆された。今年度は大腸菌で同様の膜維持機能が推定されるpspAタンパク質の欠損株を用いたVIPP1での相補実験を行い、VIPP1が実際にPspAタンパク質と同様の機能をすることを明らかにした。以上の結果より、葉緑体維持に関わる因子としてFtsH,THF1,VIPP1の新たな機能を明らかにした。
All 2012 2010 2009
All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (1 results)
Plant Cell
Volume: 22 Pages: 3710-3725
The Plant Jounal 58
Pages: 1041-1053