昆虫発育を制御するステロイドホルモン生合成調節機構の解明
Project/Area Number |
09J00268
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Developmental biology
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
島田 裕子 筑波大学, 生命環境系, 特別研究員(SPD)
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥9,000,000 (Direct Cost: ¥9,000,000)
Fiscal Year 2011: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2010: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2009: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | 昆虫 / ショウジョウバエ / 脱皮 / 変態 / 前胸線 / エクジソン / ステロイドホルモン / 発生学 / 前胸腺 |
Research Abstract |
多細胞生物の発生プログラムは、外環境に応じて柔軟に変化し、発生段階ごとに適切に調節される形で進行する。例えば昆虫類では、光周期、温度変動、個体の栄養条件に応じて分泌される様々な液性因子によって、個体の発育や生理機能が適応的に調節されることが知られている。しかしその一方で、それらの複数の液性因子からの入力を個々の細胞レベルで統合し、個体レベルでの発育や生理状態を調節する分子機構の理解は大きく立ち後れている。本研究は、昆虫の脱皮と変態を制御するステロイドホルモンであるエクジソンの生合成を外環境依存的に調節する分子機構を明らかにする目的で、エクジソンの生合成器官である前胸腺において機能する膜受容体を探索し、その機能解析を行うものである。昨年度までにキイロショウジョウバエのゲノム上で膜受容体をコードすると予想されている約300個の遺伝子をスクリーニングした結果、脱皮と変態に関与する有力な候補遺伝子約19個を得ることができた。この結果は、エクジソン生合成に多数の膜受容体が関与する可能性を示した初めての成果である。 今年度は、従来前胸腺で機能するとの報告がない受容体として、セロトニン受容体、オクトパミン受容体、ロドプシン受容体に焦点を絞った解析を行った。まず、それぞれのRNAi個体においてエクジソン合成酵素遺伝子の発現が低下することを明らかにし、エクジソン生合成量の低下をELISA法によって定量的に解析した。次に、前胸線に投射するセロトニン産生神経を同定し、その神経の機能を抑制した際にエクジソン合成が遅延するかどうかを検討した。さらに、電気生理学的な解析により、培養した前胸線の膜電位がセロトニンとオクトパミンに応答して脱分極することを新たに見出した。以上の解析により、神経伝達物質として有名な生体アミンがステロイドホルモン生合成器官に作用し、ホルモン生合成に必須の役割を果たすことが強く示唆された。
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Report
(3 results)
Research Products
(7 results)