太陽系外惑星の直接検出に向けた宇宙望遠鏡搭載中間赤外線コロナグラフの開発
Project/Area Number |
09J00310
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Astronomy
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
櫨 香奈恵 総合研究大学院大学, 物理科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 光赤外線天文学 / 系外惑星直接観測 / コロナグラフ / 光学赤外線天文学 |
Research Abstract |
私の研究課題は、太陽系外惑星の直接観測という重要で挑戦的な課題に向けた「瞳マスクコロナグラフ観測装置」の開発である。本研究で用いているコロナグラフの方式は、バイナリ瞳マスク方式である。バイナリ瞳マスクコロナグラフは、原理的には波長によらずコントラスト改善する能力を発揮するという利点がある。21年度には世界で初めて広帯域・多波長域化することに成功し、原理的には波長によらず機能するという瞳マスクコロナグラフの利点を実証した。本年度はこれまでの実証実験を可視光波長域から(より惑星観測に適した)赤外波長域に拡張したコロナグラフの性能評価に挑むための極低温実験チャンバーおよび赤外線用バイナリ瞳マスクの開発をおこなった。実験系全体を極低温環境にする中間赤外コロナグラフテストベッドの開発では、真空チャンバー内にラディエーションシールドと温度モニターを導入し、機械式GM冷凍機を用いて冷却試験を行なった結果、約二日で内部の最終平衡温度が5K以下に到達する極低温環境を実現した。また、これまでの可視光実験で用いていた瞳マスクはガラス基板を使用していたが、赤外線波長はガラスを透過しないので、中間赤外線実験では,金属薄板による基板を用いない自立型マスクを用いる必要がある。そのため銅製自立型マスク(大きさ:10mm,設計コントラスト:10^<-10>)を製作し、常温大気中での可視光コロナグラフ実験を行なった。その結果、1.0×10^<-7>のコントラスト性能に到達した。合わせて、顕微鏡で形状精度を評価し、数値シミュレーションを併用して、コロナグラフ性能を制限する要因を評価した。このことから自立型マスクは高コントラスト赤外実験に最適なマスクの一つであることを実証した。これらの成果は最終的に装置を衛星搭載望遠鏡にとりつけて系外惑星を観測するために不可欠のマイルストーンである。以上は、単体の研究成果として査読論文、学位論文やコンファレンスにて発表した。
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Report
(3 results)
Research Products
(12 results)