真核生物のRNAポリメラーゼにおける転写開始/終結機構の分子的基盤の解明
Project/Area Number |
09J00473
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Structural biochemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
江原 晴彦 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | X線結晶構造解析 / 転写 / RNAポリメラーゼ / タンパク質複合体 / タンパク質X線結晶構造解析 |
Research Abstract |
ピキア酵母内在性のRNAポリメラーゼの内,既に取り組んでいたPol Iについてその調製方法の改良を行った.また,Pol IIとPol IIIに関しても,内在性複合体の調製方法の確立を行った.それらの内,Pol IIに関して結晶化スクリーニングを行い,小さな単結晶を与える条件を複数得ることができた.得られた結晶は外見により異なった結晶格子を持つことが判明したが,三方晶系の格子を持つ結晶に関して結晶化条件の最適化を行い,十分な大きさの結晶を得ることができた.X線回折データの収集を行った後,以前に報告されていた出芽酵母Pol IIの構造を用い,分子置換法による位相決定を行った. 以前に解かれていた出芽酵母Pol IIとの構造比較を行ったところ,大きく異なる点が明らかとなった.特にRpb4/7に関しては出芽酵母のPol II等と比べて傾いた角度で結合しており,先端付近においては15Aを超える大きなずれが観察された.Rpb4/7がこのような大きな動きをし得るというのは新しい発見である.さらに,clampと呼ばれる領域に関しても大きな動きが観測された.この部分は以前より可動性を持つことが知られていたが,今回の構造では,これまでで最も内側に閉じた形をとっていた.Pol IIの高い保存性を考えると、今回観察された構造変化は種間の違いに由来するものではなく,Pol IIの取りうる別の構造状態であると考えられ,転写の分子メカニズムにおいて新たな知見を与えるものであると考えている. また,以前に解明した分裂酵母由来C17/25部分複合体に関して,主に計算機的手法を用いた配列比較や,表面残基の解析を行った.その結果,タンパク質表面の保存性等が明らかになり,今回の構造と合わせて,これまでに考えられてきたC17/25複合体の構造に関して修正を与えることになった.このC17/25複合体に関して原著論文を作成し,Protein science誌に掲載された.
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Report
(3 results)
Research Products
(1 results)