腐植物質-粘土粒子複合体のコロイド界面科学的性質と土壌中での移動特性
Project/Area Number |
09J00484
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Irrigation, drainage and rural engineering/Rural planning
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
白鳥 克哉 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 腐植粘土複合体 / コロイド粒子の捕捉状態 / コロイド粒子の剥離 / カオリナイト / 豊浦砂 / 電気泳動移動度 / 流動電位 / 凝集分散 / コロイド担体輸送 / 粘土粒子 / 腐植物質 / 表面荷電特性 / 粒子捕捉 / 粒子剥離 |
Research Abstract |
本研究では、土壌中の化学物質の主要な輸送担体である腐植粘土複合体の移動特性を評価するための方法論を検討し、従来の表面荷電特性に基づく評価に加えて粒子の捕捉状態の観点から剥離挙動の解析を行った。その結果、以下の4点が示された。(1)破過曲線に基づく粒子の捕捉状態の推定は、捕捉粒子の顕微鏡観察と定性的に一致し、粘土粒子と砂の表面荷電特性に基づき解釈できることが示された。(2)捕捉状態が十分に発達していない条件下においては、捕捉過程において捕捉されにくい条件ほど、剥離しにくい捕捉状態にある粒子の割合が高まることが示された。(3)捕捉されやすさ、すなわち捕捉速度定数が同じ条件であっても、粒子間相互作用に差があると形成される捕捉状態も異なるため、剥離挙動に差が出ることが確認された。凝集が進みすぎて間隙を閉塞することがない限りでは、粒子間相互作用が親和的で凝集しやすい条件下で捕捉状態が形成された場合ほど、粒子剥離が起こりやすいことが示唆された。(4)腐植物質の吸着による捕捉速度定数の変化は、既往研究に比べて小さく、カオリナイト粒子とフミン酸吸着カオリナイト粒子で、粒子捕捉率に大きな差は見られなかった。しかし、剥離挙動には有意な差が生じた。このことから、粘土粒子に腐植物質が吸着することで、粒子間相互作用の変化を介して粒子の捕捉状態が変化し、剥離しにくくなることが示された。これまで、コロイド粒子の移動に対する吸着腐植物質の影響は、粒子の捕捉率を低下させると認識されてきた。これは、土壌マトリクスとの相互作用が、腐植物質吸着によってより反発的になるためと考えられてきた。しかし、本研究では、腐植物質吸着による粒子の捕捉率変化は小さい一方で、腐植物質吸着は粒子間相互作用をより反発的にすることで、剥離しにくい粒子捕捉状態を形成するのに寄与していることが明らかになった。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)