断層帯に存在する水と摩擦発熱が地震の破壊過程に与える影響
Project/Area Number |
09J01224
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Solid earth and planetary physics
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
浦田 優美 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 摩擦熱による間隙圧上昇 / 動的破壊 / 数値計算 / 相変化 / ダイラタンシー / 動的破壊過程 |
Research Abstract |
地震が発生する領域には水などの流体(間隙流体)が存在すると考えられている。流体が地震時に果たす重要な役割のひとつに、断層運動に伴う摩擦発熱によって間隙流体の圧力が上昇し、断層の強度を大きく低下させる、というものがある。強度が低下した断層はすべりやすくなり、大地震につながると考えられる。 本研究の目的は、摩擦熱による間隙圧上昇の機構が実際の地震でどの程度効いているのかを明らかにすること、およびこの機構のモデルをより現実的なものに改良することである。今年度は、実際の断層近傍の物理を反映したモデルを構築するため、間隙水の相変化およびダイラタンシーに着目した。岩石実験の結果や昨年度までの理論的な考察などから、間隙水の相変化とダイラタンシーが地震時に起こりそうであり、間隙圧上昇の機構や地震のすべり発展に大きな影響を与えると予想されたからである。それらを組み込んだ数値計算コードを新たに作成し、その計算コードを用いて多数の数値実験を行った。 その結果、水の相変化とダイラタンシーによって、間隙圧上昇の機構の効果が抑制されることがわかった。具体的には、水の相変化によってすべり量が、ダイラタンシーによってすべり量と破壊伝播速度が抑制される。このことは、ダイラタンシーや相変化を考慮していない数値計算と実際の地震との間に見られる特徴の違いを、ある程度説明する。水の存在が考えられる断層では、単純な間隙圧上昇の機構だけでなく、水の相変化やダイラタンシーを考慮する必要があることを示した。 以上の成果を国内外の学会で発表した。また、昨年度までの研究成果をBulletin of the Seismological Society of America誌に発表した。
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Report
(3 results)
Research Products
(14 results)