妊娠中に胎児に流入する母体細胞による細胞内寄生性病原体の新たな垂直感染機構
Project/Area Number |
09J03728
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied veterinary science
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
海野 明広 岐阜大学, 連合獣医学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | トキソプラズマ / 単球 / マイクロキメリズム / 垂直感染 / ケモカイン / ヒアルロン酸レセプター / Toxoplasma gondii |
Research Abstract |
トキソプラズマ原虫は、胎盤炎やそれに伴う流産,胎児の先天性疾患を引き起こすことが知られている。母体と胎児の間には物質の侵入を厳しく制限する血液胎盤関門が存在しており,どのようにこの関門を越えて胎児へ至るかは未知の部分が多い。本原虫は経口摂取された後、腸管を経て血球に感染し、感染血球が血液を介して全身に伝播している。これまでに血球に感染した病原体が細胞表面の接着因子の発現量を調整し、感染細胞の組織への浸潤能を増強する例が報告されている。本原虫感染血球(ヒト単球細胞およびPBMC)において、細胞外マトリックスの構成成分であるヒアルロン酸(HA)に対するレセプターの発現量が上昇し、HAへの感染細胞の吸着が増強されることを明らかにした。またこれらの現象がヒアルロン酸レセプターであるCD44を介してことを示した。すでに胎盤において感染細胞の濃縮像を捉えており、現在In vivoにおいて感染細胞の濃縮におけるヒアルロン酸レセプター(CD44)の関与について確認中であり、23年度中にはその成果を発表できると考えている。本研究によって、本原虫の生存戦略として母体細胞のHA吸着能、すなわち感染細胞の挙動パターンを変化させることで効率良く胎盤に到達し次世代へ感染している可能性が示された。 正常な妊娠動物において一部の母体血球が血液胎盤関門を越えて胎児側に侵入していることが報告されているが、このメカニズムについて明らかになっていない。母体血球の血液胎盤関門通過における胎児由来ケモカインの効果を調べるためにCCL3欠損マウスモデルを作成した。CCL3およびGFPを発現する母体マウスより回収したCCL3陽性とCCL3陰性の同腹の胎児からは、同等数のGFP陽性の母体細胞が検出された。本研究では、母体血球の血液胎盤関門通過には胎児由来CCL3は必須でないことを明らかにした。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)