アルコールによる多重精密重合系の開発:高分子一次構造の究極制御に向けて
Project/Area Number |
09J04602
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Polymer chemistry
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中谷 和裕 京都大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | リビング重合 / ラジカル重合 / 遷移金属錯体 / アルコール / グラジエントコポリマー / タンデム触媒反応 / 金属アルコキシド / エステル交換反応 / アルコキシド |
Research Abstract |
本研究課題では、アルコールを鍵試薬とする精密重合による高分子一次構造の究極制御を目的としている。本年度は、特にエステル交換反応とリビングラジカル重合の組み合わせによる「タンデム重合」によるグラジエントポリマーやマルチセグメントポリマーなどのモノマー配列の制御された共重合体を簡便かつ効率的に合成する方法の開発を目指した。 すなわち、遷移金属錯体によるリビングラジカル重合における一般的な助触蝶である金属アルコキシドが、アルコールとエステル化合物間のエステル交換反応をも引き起こすことにも着目し、金属アルコキシドとアルコール存在下、遷移金属錯体により、エステル側鎖を有するメタクリル酸メチル(MMA)をリビングラジカル重合すると、重合中にモノマー組成が徐々に変化し、簡便に「グラジエントポリマー」を合成できた。また、この際金属アルコキシドやアルコールの種類や濃度、反応温度を変化させることで、グラジエントポリマー中のモノマー配列を簡便に制御することができた。次に、エステル交換反応が3級エステルに対しては起こらないことに着目し、MMAとメタクリル酸t-ブチル(tBMA)の混合物をモノマーとするタンデム重合をエタノール存在下で行った。その結果、MMAとメタクリル酸エチル(EMA)のグラジエント組成にtBMAがランダムに配置された「ランダム-グラジエントポリマー」を合成することができた。さらには、タンデム重合においてエステル交換反応を重合と同時ではなく、重合前に起こすことで「ランダムポリマー」を、重合中期に起こすことで「ブロックポリマー」を合成できた。以上より、タンデム重合を用いると多種多様なモノマー配列を有するポリマーを簡便に合成できることがわかった。
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)