Project/Area Number |
09J04716
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
森林科学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石塚 航 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2011: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | Fagus crenate / Fagus japonica / GIS / 更新動態 / 分布 / ブナ属2種 / デモグラフィー / GISを用いた森林生態学 |
Research Abstract |
本研究で対象とする樹木2種は、研究対象地において局所的なすみわけをして個体群を維持している可能性があり、それらが個体群の持続性に及ぼす影響、また、それらを実現させているプロセスやその動態における種間差等の解明のため、フィールド調査を主とした調査・解析を行ってきた。設定調査区における成木の空間立地特性を、GISを活用して定量的に評価し、林床における実生の空間配置における親木依存性を検証できるようにした。4年間の発芽実生追跡データをもとに、親木依存の影響を排除した上で、各々の種の量的分布や、成長動態における環境依存の程度や種特性を統計学的に解析した。これによって時系列に沿ったデモグラフィーとその種間差を推論した。結果、量的分布においては、ブナの環境非依存的な分布とイヌブナの地形依存的分布が検出され、成長形質においては、ブナの高い成長率とシカによる食害に対する回復力の低さが、逆に、イヌブナの低い成長率と高い食害耐性が検出され、それぞれに種間差がみられた。このような差は、ある与えられた条件下での実生の持続性の差という面から、ブナとイヌブナの2種に異なった更新機会を提供することになる。そのため、この2種は異なったフェーズでの更新を行うことができ、同一林分においても両種で高い優占度を維持することにつながるだろうと考えられた。また、天然林下における更新動態を複数軸から評価することによって、このような同属異種の種間差を理解できることを、本研究では見出すことができたと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当研究において、フィールド調査については達成することができたと考えているが、その後に行う予定であった、分子遺伝学的手法による進化的プロセスの検証のところまでは、期間内に十分に行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は平成23年度で課題が終了する。申請者は本研究課題を継続しない。ただし、成長に長い時間のかかる森林における検証をより精度よく行っていくためには、今後、長期の動態を解析することが必須である。その点では、本研究は調査地の再測が可能なデザインであるために、将来、再検証をすることも視野に入れている。
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