飛翔昆虫を規範とした高性能な羽ばたき小型飛翔体の創製
Project/Area Number |
09J05225
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Intelligent mechanics/Mechanical systems
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中田 敏是 千葉大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2009 – 2010
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
|
Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
|
Keywords | 小型飛翔体 / 昆虫飛翔 / 羽ばたき飛翔 / 流体・構造連成解析 / 柔軟翼 |
Research Abstract |
高性能な羽ばたき小型飛翔体の設計指針の導出のために、生物型力学シミュレータ(H.Liu, J.Comput Phys., 2009)を用いて、昆虫羽ばたき翼に見られるねじれと2方向の曲げが、羽ばたき翼の空力的性能に及ぼす影響を調べた。また、昨年度開発した流体・構造連成解析シミュレータと、羽ばたき翼の柔軟性を評価するための無次元剛性を用い、様々なサイズの昆虫の翼の飛翔中の変形と、その変形が空力的特性におよぼす影響を調べた。その結果、ショウジョウバエ等の小型昆虫の羽ばたき翼は、スズメガ等の大型昆虫と比較して無次元剛性が大きいため、ほとんど変形しないにも関わらず、仮想的にスズメガの柔軟性を導入することで、その空力的特性がスズメガと同様に向上するということが明らかとなった。このことから、昆虫の羽ばたき翼には、強度や血流の循環等の制約条件の元で柔軟性が与えられており、その剛性は、空力的観点から最適ではない可能性があるということが示唆される。また、走査型電子顕微鏡を用い、トンボの翼表面の構造を観察した結果、役割が不明な複数のトゲを観察できた。現在は、このトゲや翼の3次元構造の空力的影響を調べるために、これらを生物型力学シミュレータのモデルに導入するための詳細な形状の観察方法を検討中である。さらに、小型飛翔体のための高性能な羽ばたき翼を創製するために、羽ばたき翼の空力的性能を評価するシステムを、実験と数値計算を組み合わせることで構築した。このシステムによって、これまでよく用いられてきた膜翼の膜の面積が非常に重要であり、膜を適切にたるませて貼ることで、従来よりも20%程度大きな空気力を発生できることが明らかとなった。また、本研究室で開発した昆虫規範型羽ばたきロボットのギヤボックスの構造の改良を行い、再現性よく飛翔が可能な羽ばたき小型飛翔体を作製した。現在は、重さが3g程度で、最大で6分程度の連続飛行が可能である。
|
Report
(2 results)
Research Products
(17 results)