人間の言語理解過程における一般的認知機能の役割について
Project/Area Number |
09J06486
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Linguistics
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
大石 衡聴 独立行政法人理化学研究所, 言語発達研究チーム, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2011: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2010: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 文処理 / ガーデンパス / 脳波 / 事象関連電位 / 時間周波数解析 / 抑制機能 / P600 / Thematic violation / Stroop / ガーデンパス文 / 個人差 / 作動記憶 |
Research Abstract |
本年度は主として、獲得済みの実験データを公表すべく論文の執筆に従事し、それに並行して昨年度から導入を始めた脳波の時間周波数解析を行うためのコンピュータープログラムの開発に努めた。執筆中の論文では、ガーデンパスからのリカバリーに抑制機能という一般的認知機能が即座に関与することを示している。ガーデンパスからのリカバリーとは、一旦構築した解釈が誤りであることが判明した際に既存の解釈を破棄し、新たな解釈を構築するという認知的処理を指す。例えば「警官が犯人を捕まえた青年に…」という文を読むとき、日本語話者は「捕まえた」の時点で一旦単文解釈を行う傾向があり、そのため、「青年に」を読んだ際にはその単文解釈を破棄し、「犯人を捕まえる」という行為の動作主が「警官」ではなく「青年」であるという解釈を構築することになる。論文では既存の解釈の破棄に抑制機能が即座に関与していることを明らかにしている。また、文処理過程で抑制機能の関与が予測される2種類の認知的処理が行われている際の脳波を測定し、そのデータを時間周波数解析にかけることによって、それらの処理に対応してどの周波数帯域で活動が活発になるのかを明らかにするための実験も実施している。そこで得られた知見を2月に実施されたあるワークショップで公開した。こちらの研究に関しても、論文執筆に向けて準備を進めているところである。また、2月初旬より、文の途中で(少なくとも)2つの解釈が可能であるが、どちらか一方を選択しなければならないような場合に抑制機能が一方を抑制する役割を果たすかどうかを明らかにするための実験を実施中である。得られたデータから事象関連電位成分および周波数成分を抽出し、上述の問題に取り組むことで、オンライン文処理過程でどのような認知的処理が展開されているのかを解明することが期待される。
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Report
(3 results)
Research Products
(5 results)