Project/Area Number |
09J06785
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Neuroscience in general
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Research Institution | The University of Tokyo (2010-2011) Osaka University (2009) |
Principal Investigator |
玉井 総一 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 神経変性疾患 / 筋萎縮性側索硬化症(ALS) / Nfil3 / 神経細胞保護 / 神経変性 / 運動ニューロン / 中枢神経系 / 分子生物学 |
Research Abstract |
神経変性疾患とは、神経細胞の変性および脱落が徐々に進行し、様々な神経症状を呈する神経疾患である。代表的な神経変性疾患として、大脳皮質や海馬の神経細胞が脱落するアルツハイマー病や,運動ニューロンが選択的に変性する筋委縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis,ALS)などが挙げられる。このような神経変性疾患の多くは難治性であり、根本的な治療法が存在しない。重要なことに、神経細胞には神経変性を惹起する条件下で発動する自己保護システムが内在し、この保護システムを活性化することによって神経変性疾患の発症を遅延・抑制できる可能性が近年の研究によって示され始めている。このような役割を担う分子を同定することは、神経細胞の保護機構の理解を進めるのみならず、神経変性疾患に対する新たな治療戦略の創出につながる。 本研究において、bZIP型転写因子Nfil3は種々の神経毒によって発現亢進することが示された。また、培養神経細胞にNfil3を強制発現すると、神経毒依存的な神経変性が顕著に抑制された。一方Nfil3を発現抑制すると、神経細胞は神経毒に対して脆弱になった。つまり、Nfil3は神経細胞の保護を担う分子であることが明らかになった。本年度は、Nfil3の発現が神経変性疾患の発症を遅延もしくは抑制する可能性を検証するため、Nfil3トランスジェニックマウスを作製し、これをALSモデルマウスと交配させて二重変異マウスを作製した。この二重変異マウスはALSモデルマウスと比較して、初期症状から末期症状に至るまで、その発症が顕著に遅延した。つまり、Nfil3の発現は神経細胞を保護し、ALSモデルマウスにおける神経変性の抑制に寄与する。このことは、神経変性疾患の予防・遅延において、Nfil3を介した保護システムをターゲットとした治療戦略が有用である可能性を提示している。
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Report
(3 results)
Research Products
(3 results)