Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
SBM主体飼料を給与した魚類の生理障害のメカニズムの解明およびその防除策の開発,応用を目的とし当該年度は以下の研究を実施した。 1.カゼイン主体飼料へのコレスチラミン(CH)添加および濃縮大豆タンパク(SPC)主体飼料への大豆サポニン(Sa)と大豆イソフラボン(I)の添加がニジマスの肝臓組織に及ぼす影響:SBM主体飼料区の全7個体中5個体では肝細胞の萎縮がみられた。無添加のSPC主体飼料区では肝細胞の萎縮は7個体中1個体のみ認められ,5個体は正常な肝臓組織であった。CH添加区およびSaとIを添加したSPC主体飼料区では全7個体中3個体で正常な肝臓組織がみられたが,両飼料区では肝細胞の萎縮も3個体で認められた。以上のことから,SaやIなどのアルコール可溶性成分およびCHのような胆汁塩吸着作用を持つSPC内の物質の相乗作用がSBM給与ニジマスの肝臓組織変性に関わる可能性が推察された。2.分離大豆タンパク質(SPI)内のアルコール可溶性物と大豆タンパクの相乗作用がニジマスに及ぼす影響未処理のSPI主体飼料区,フィターゼ処理(P-T)のみを施したSPI主体飼料区およびSBM区では,胆のう胆汁中のタウロコール酸(C-T)の割合低下や重度な直腸組織変性がみられ,それら3飼料区では全6個体中3個体に重度な肝臓組織変性が認められた。一方,アルコール洗浄(A-T)のみ施したSPI主体飼料区,A-TとP-Tを施したSPI主体飼料区(SP区)およびSP区にSaとIを添加した飼料区では,C-Tの割合減少や重度な腸管組織変性は認められず,それらの飼料区では重度な肝臓組織変性は6個体中1個体以下しか存在しなかった。以上のことから,SBMを摂取したニジマスの生理障害には,SPIのアルコール可溶性物質であるSaやIが結合した大豆タンパク質が関与する可能性が推察された。
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