RAB5のエフェクター解析から迫る植物のエンドソーム成熟機構の解析
Project/Area Number |
09J07859
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
植物分子生物・生理学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
桜井 一 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 植物生理学 / 分子生物学 |
Research Abstract |
低分子量GTPaseのひとつであるRabは一次構造の類似性によってグループ分けされており,Rab5はエンドソームに局在して広範な生命現象に関与することが示唆されている.モデル植物であるシロイヌナズナのゲノム中にも類似性の高い構造を持つ保存型Rab5が存在する.この保存型Rab5は生存に必須な役割を担う重要なタンパク質であることを当研究室の先行研究で明らかにしているが,具体的にどのような小胞輸送経路に関与するのかは明らかにできていない.一般的にRabタンパク質は分子スイッチとして機能し,エフェクターと呼ばれる下流因子を制御する.驚くべきことに,シロイヌナズナでは既知のエフェクター因子は全く保存されておらず,保存型Rab5がその下流においてどのような機能発現機構を持つのかは未知であった.そこで,酵母ツーハイブリット法を用いてシロイヌナズナ保存型Rab5のエフェクター候補の探索を行い,機能未知のタンパク質グループに着目し,EREX(Endosomal Rab Effector with PX-domain)メンバーと命名して解析を行っている.これまでにEREX1とEREX2が保存型Rab5特異的なエフェクターである可能性が高いことを明らかにし,EREX3はRab5とは相互作用せずに異なるRabグループであるRab18と相互作用することを明らかにした.一方,EREXメンバーの三重変異体は致死となることから,EREX3だけが異なる機能を発現しているわけではなく,一部冗長した機能も存在することも明らかとなった.以上のことから,EREXメンバーの機能解析を通して,シロイヌナズナ保存型RAB5の植物独自な機能発現機構の解明を目指す.また,EREX3が相互作用するRab18は未知のRabグループであるが,この研究によってRab18の機能解明のみならず,Rab5との関連性についてまで明らかにできると期待している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
命名・単離した機能未知のエフェクター候補を解析し,輸送に関わる表現型を評価・比較することができた.これは研究の目的である「植物が独自に発達させたRAB5機能発現機構の解明」に直結する結果である.
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Strategy for Future Research Activity |
RAB5とエフェクター候補のin vivoでの直接的な相互作用をプルダウン・アッセイによって評価を試みているが,未だ成功していない.この結果を得ることができれば目的を全て達成することができ,現在のところタンパク質の精製方法や使用する翻訳領域の限定化による解決を模索中である.また,思いがけず他のRABグループの下流因子候補としてEREX3を単離しているので,こちらの研究をあわせて行っていきたい.
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)