2009 Fiscal Year Annual Research Report
RAB5のエフェクター解析から迫る植物のエンドソーム成熟機構の解析
Project/Area Number |
09J07859
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
桜井 一 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 植物生理学 / 分子生物学 |
Research Abstract |
動物や酵母における先行研究から,低分子量GTPaseのひとつであるRAB5は細胞内の物流において重要な機能を担っており,その機能発現にはエフェクターと呼ばれる多数の下流因子が存在することが報告されている.モデル植物であるシロイヌナズナにおいても保存型RAB5は重要な機能を担っていることを当研究室の先行研究によって明らかにしているが,機能が保存されたエフェクターの存在は報告されておらず,植物は動物とは異なった独自の機能発現機構を発達させてきたことが窺われる.我々はシロイヌナズナの保存型RAB5エフェクターの候補としてEREXメンバーの単離・解析を行い,EREX1とEREX2が保存型RAB5と協調して機能する因子である可能性が高いことを明らかにした.さらに遺伝学的な解析の結果,このEREXメンバーは冗長に機能し,EREXメンバーの三重変異体は配偶体致死ないしは胚致死となることを明らかにした.これらの結果から,EREXメンバーの機能を解析することで,シロイヌナズナ保存型RAB5の植物独自な機能発現機構の一端を明らかにすることができると考え,更なる解析のためにEREXメンバーのGST融合タンパク質の精製や構造予測からポリクローナル抗体を作成した.現在,得られた抗体の特異性を確認しており,今後はこの抗体をさらに特異性の高い状態に精製し,EREXメンバーとRABとの相互作用関係を生化学的に検討する.また,蛍光タンパク質融合EREX1を形質転換した植物も作出しているので,植物個体の細胞内におけるEREXメンバーの動態について蛍光顕微鏡を用いて観察し,その機能を明らかにする.
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Research Products
(2 results)