Project/Area Number |
09J08033
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Developmental biology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
杉江 淳 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | Drosophila / Cell adhesion / Hibris / 神経発生 / ショウジョウバエ / nephrin / NEPH1ホモログ / 細胞接着 |
Research Abstract |
脳の高次機能を司る中枢神経系は複雑かつ精密な神経回路から成る。神経回路が形成されるためには、その基本単位であるシナプス前神経細胞とシナプス後神経細胞が正確な場所と時期にマッチングする必要がある。しかし、シナプス前後細胞が決められた場所でお互いを認識し、正しく結合していく分子機構について未知な点を多く残す。この問題を解明するために、ショウジョウバエの一次視覚系神経節であるラミナの形成に着目した。ラミナは、主に視神経軸索(シナプス前)とラミナ神経細胞(シナプス後)から構成され、規則正しい構造を持つ神経節である。 本研究では、ラミナ神経細胞が視神経軸索に会合する過程において働く実行因子を特定し、正確な神経ネットワークを構築する分子メカニズムを解明することを目的とした。そのために、シナプス前後細胞が相互認識できない変異体を用いてマイクロアレイによる網羅的なスクリーニングを行った。スクリーニングと解析の結果、脊椎動物のNephrinホモログである細胞接着因子、Hibris (Hbs)がラミナ神経細胞で機能することが明らかになった。ラミナ神経細胞で発現する細胞接着因子Hbsは、視神経軸索で発現するパートナー分子と結合する事で働いていると考えられた。Hbsのパートナー分子探索の結果、視神経で働く因子としてNEPH1ホモログであるRoughest (Rst)を同定した。本研究から、ショウジョウバエの視覚系中枢において、シナプス前後細胞の正確な位置関係が形成される際の細胞間コミュニケーションにNephrin/NEPH1ホモログの細胞接着が関与する事が示された。この成果は、脊椎動物の神経中枢におけるシナプス前後神経細胞間認識のさらなる理解に繋がる可能性がある。
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