In-Cell NMRによる膜タンパク質のダイナミクス解析法開発とチャネルへの応用
Project/Area Number |
09J08197
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Chemistry related to living body
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉中 藍 (新津 藍) 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 固体NMR / 神経毒 / 相互作用解析 |
Research Abstract |
本研究では、電位依存性ナトリウムチャネル(以下VSSC)の非活性化状態と神経毒ベラトリジンによる活性化状態の構造変化をIn-Cell NMRにより観測することを計画していた。VSSCの構造解析を行うにあたり、まずVSSCにおいてベラトリジンが相互作用すると考えられているチャネル孔形成部位の構造を解析することが本研究の目的遂行において有用であると考えた。そこで、ベラトリジンの作用が提唱されているVSSCのドメイン4セグメント6(以下D4S6)の配列の両端に親水性アミノ酸であるリシンを3残基ずつ配列したペプチド(以下TMP3)を用い、固体NMRで脂質二重膜中での構造解析を行うこととした。 モデルペプチドとして、D4S6全長の28残基の両端にリシンを3残基ずつ加えた34残基のTMP3を固相合成により調製した。特に固体NMR測定用のTMP3については、Ile、Leu、Val、Gly、Phe、Alaにおいて固体NMR測定の際に必要な13C標識アミノ酸を用いた。続いてTMP3の再構成条件の検討を行った。D4S6は細胞膜中で・-helixを形成していると考えられることから、円偏光二色性スペクトルおよび固体NMRで二次構造をモニターしながら条件を絞り込んだ。膜タンパク質再構成の際に利用される界面活性剤除去法、押し出し法、薄膜水和法を種々の条件で試みた。その結果、薄膜水和法の一条件によって均一な・-helixを形成したTMP3を脂質二重膜中へ再構成することができた。 再構成したTMP3を用いて二次元13C-13Cスペクトル測定、脂質重水素-ペプチドプロトンの距離測定を行った。さらに仮想膜モデルを用いたレプリカ交換分子動力学法により得られたTMP3の10000個の構造群に対しスペクトルをシミュレーションにより予測し、先に観測されたスペクトルと比較することでTMP3の三次元構造を決定した。以上の固体NMR分析および分子動力学法から、TMP3は膜貫通・-helixであることが示された(Figure1)。また得られた構造はナトリウムチャネルのD4S6の構造を反映していると考えられたことから、現在再構成TMP3とVTDの複合体解析に進んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究方針にやや変更を加えたが、標的相互作用の解析に必要な系の構築は順調に進展した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は低分子ベラトリジンと再構成したTMP3の相互作用解析を固体NMRを用いて行い、詳細な相互作用の情報を得ることで、さらに当初計画したナトリウムチャネル全体を用いた分析へと進めていくことができると期待される。
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Report
(3 results)
Research Products
(5 results)