分裂酵母における減数分裂前期核往復運動の分子制御機構の解明
Project/Area Number |
09J08236
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Cell biology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤田 生水 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 分裂酵母 / 減数分裂 / 微小管 / 細胞質ダイニン / ダイナクチン / ホーステール核運動 |
Research Abstract |
分裂酵母の減数分裂前期に見られる核往復運動(ホーステール運動)は、微小管モーター細胞質ダイニンが細胞表層で微小管を牽引することで引き起こされる。本研究ではダイニンがダイナクチンやNum1pによって細胞表層に繋留される分子機構について解析した。 微小管が細胞表層に接する点に見られるダイニンのドット状局在の動き観察したところ、num1破壊株においては細胞表層で固定されにくい様子が観察されたことから、Num1pはダイニンを細胞表層上で滑らないように固定する働きがあると考えられた。 2ハイブリッド法によってダイナクチンのサブユニットであるSsm4pとMug5pおよびJnm1pが直接結合することが推察された。またSsm4pのC末端領域はMug5pやArp1pとの相互作用に必須であることが分かった。Mug5p結合領域内に変異を導入したSsm4pの変異体シリーズを用いた解析により、Mug5pとの結合に寄与すると考えられるSsm4pの複数のアミノ酸残基を特定した。これら残基に変異を導入した株は、ホーステール運動におけるダイニンの繋留に異常が見られた。 ホーステール運動の周期性が生じる機構の理解を目指して、微小管動態に基づくシミュレーション・モデルを利用しつつ、生細胞における往復運動を詳細に解析した。野生型株のホーステール運動は、一定の振動数を保って運動していた。また、減数分裂前期の前半から後半にかけて振動数が上昇する傾向が見られた。 様々な細胞長の細胞におけるホーステール運動を観察したところ、周期と細胞長との間に正の相関関係が見出された。SPBと染色体の相互作用が失われるbqt1破壊株においては、野生型株よりもSPBの振動数および移動速度が有意に上昇していた。局在観察や遺伝子破壊株の観察を通して、キネシンファミリータンパク質Klp6pがホーステール運動時の微小管の伸縮を制御していることが示唆された。Klp6破壊株においては、細胞両端を行き来するSPBの動きは見られたものの、周期性に異常が生じていた。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)