Project/Area Number |
09J08689
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Cultural anthropology/Folklore
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
石田 智恵 立命館大学, 先端総合学術研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2011: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2010: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | アルゼンチン / 日系人 / 移民 / 歴史人類学 / カテゴリー / 分類 / 名前 / 南米 / 集団 |
Research Abstract |
交付申請書に明記した「研究の目的」について、下記のとおり予定になかった新たな知見を得たこともあり、既存の人類学的議論における本研究の位置づけの明確化については充分に達成できなかったものの、「日系人」という集団名をめぐる広範な事例をもとに、集団カテゴリーと移民共同体の構築・変遷のプロセスの関係を人種や民族の論理に関する議論と照らし合わせつつ歴史に即して考察するという目的はおおむね計画通りに進展した。 「研究実施計画」に関しては、交付申請書記載のとおり1.議論枠組みの精緻化、2.史資料調査、3.現地調査それぞれについて下記のとおり研究を実施した。 1.議論枠組みの精緻化 当初は、国民国家内に形成される移民集団の同一性を世代間継承の視点から考察するための枠組みを獲得することを目的とし、人類学における親族論や名前をめぐる議論を整理することを計画していたが、近年の人類学の潮流もふまえ、共同体の構築を可能にする具体的な言説や条件、装置を分析する視点が重要と考えるに至り、これに関する議論の読解を進めた。この作業は現在も進行中であり、学会誌に投稿するに足るまとめの段階には未だ達していない。 2.史資料調査 計画通り、戦後政治史、外交史関連の文献や外交史資料の検討を通じて、占領期から1960年ごろまでの日本政府にとっての「移民」の位置づけを考察し、論文として発表した。「海外日系人大会」などのイベントや国際協力機構(旧国際協力事業団)の事業のような公的な動きだけでなく、表立って語られていないなかで日本政府が「日系人」をどのような存在とみなし関わってきたのかを明らかにすることで、「日系人」カテゴリーの歴史のなかで見過ごされてきた一面を埋めるものと言える。 3.現地調査 アルゼンチン・ブエノスアイレスでの調査、メキシコでの調査ともに、文字史料の収集、インタビュー(人数、時間)を行ない、計画以上の成果を得た。とくに今回集中的に行なったインタビューを通じて、他の方法では得ることのできない貴重な知見・情報を多数得ることができた。これらの成果は次年度に論文として発表する。また今回の調査によって現地の研究者との交流も深まり、今後の相互協力、共同研究の道も大きく開かれた。
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