一般的信頼の概念測定の普遍性と協力行動に対する効果に関する研究
Project/Area Number |
09J09386
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Social systems engineering/Safety system
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
大崎 裕子 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 森林管理 / 一般的信頼 / ソーシャルネットワーク / 協力行動 / 社会環境評価 / 道徳的価値 / 想定他者 |
Research Abstract |
22年度の研究課題としては、インドネシアバニュマス県の住民参加型森林管理を事例として、地域における住民間のソーシャルネットワーク(以下SN)をベースとした一般的信頼の協力行動促進の効果の検証を主な目的とした。そこで地域住民のSNと森林管理の実態について、バニュマス県の4村においてフィールド調査を行った。住民へのインタビューの結果、住民達が属する主要4組織(近隣組織、回転信用組合、宗教組織、農業組織)とそれらに関わる集合行為・社会的制裁の実態について確認することができた。主に以下のことが明らかとなった。 まず近隣組織(RT)は、あらゆる地域活動の基礎となる地域組織であり、住民間の集合行為(例.道路の補修)は主にRT単位で行われている。そして、RTによる地域活動の資金源および相互扶助機能として回転信用組合が存在する。また、宗教組織は、集合行為に参加しない者や違法行為者に対する社会的制裁機能を持つ。以上の3組織が地域自治の基礎となる一方で、森林管理を行う組織であるLMDHという農業組織は、地方政府林業公社の下部組織として、アグロフォレストリー(林業と農業を合わせて行うこと)を行っている。先の3組織のような地域単位の組織とは異なり、LMDHは,国主導の垂直的構造のもとで地域単位を超えた森林管理を目的とするアソシエーション型組織である。 以上から、地域単位のコミュニティ型SNによって住民間の一般的信頼感が安定的に維持・醸成されることにより、地域を超えたアソシエーション型組織への協力的参加が促進される可能性が示された。このように地域組織の中に異なる2形態のSNの存在を指摘し、前者に依拠した一般的信頼が後者のもとで協力行動を促進する仮説を新たに示したことは、社会関係資本研究におけるSN・一般的信頼・協力行動の三要素の因果関係探索の新展開として、意義あるものであったと考えている。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)