Project/Area Number |
09J10452
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
歯周治療系歯学
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
竹立 匡秀 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2010: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 骨代謝 / アデノシン / CD73 / ノックアウトマウス / 骨芽細胞分化 |
Research Abstract |
H21年度の研究結果から、細胞外アデノシン産生に寄与するCD73分子が骨芽細胞の分化を促進的に制御し、骨組織の恒常性維持に重要な役割を担うことが明らかとなった。そこで本年度は、CD73分子による骨芽細胞分化促進作用がアデノシンレセプター(AdoR)を介したシグナルによるものか否かについて解析を行なった。まず、マウス骨芽細胞株MC3T3-E1を石灰化誘導培地にて分化誘導した際のAdoR発現について解析した。その結果、AdoRサブタイプのうちA1、A3 AdoRの発現は分化誘導を通して認めなかった一方で、A2A、A2B AdoRの発現は分化に伴い上昇した。また、CD73強発現MC3T3-E1(MC/CD73)で認められた骨芽細胞分化マーカー遺伝子の発現上昇は、A2A AdoR antagonist存在下では変化を認めなかった一方で、A2B AdoR antagonist存在下では有意に抑制された。また、siRNAを用いたAB AdoR発現抑制MC/CD73においても同様の結果を得た。さらに、A2B AdoR欠損マウスの骨量をmicro CTにて解析したところ、CD73欠損マウスと同様、長管骨の海綿骨における骨量の減少を認めた。以上の結果からCD73分子を介して産生されたアデノシンが、A2B AdoRを介したシグナルによって骨芽細胞の分化調節を促進的に制御している可能性が示唆された。 一方で、CD73分子の歯および歯周組織における役割について検討した。まず同分子の歯および歯周組織における発現について免疫染色法にて解析した。その結果、象牙芽細胞に強い発現を認め、顎骨骨芽細胞や歯根膜細胞にも発現を認めた。そこで次にCD73欠損マウスの顎骨を採取し、大臼歯および歯周組織をsoft X線およびmicro CTにて構造解析を行なったところ、象牙質、歯髄腔および歯根膜腔の体積に有意な差は観察されなかった。現在、歯牙矯正モデルを用いて歯根膜組織にメカニカルストレスを加えた際のCD73分子の機能、さらには歯周病原細菌感染による歯周病モデルにおける同分子の機能について解析中である。
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