ω3脂肪酸由来の新規炎症収束性メディエーターの同定
Project/Area Number |
09J10732
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
磯部 洋輔 The University of Tokyo, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | ω3PUFA / 脂質メディエーター / 抗炎症作用 |
Research Abstract |
急性炎症反応は生体の恒常性維持に必須な防御機構であり、その進行は「起炎反応」とそれに続く「収束過程」とに分けられる。起炎反応は好中球が炎症部位へ浸潤して異物を排除する過程であり、その分子機構が非常に良く研究されているが、好中球が消散して行く炎症の収束過程に関しては、その分子機構はほとんど明らかでない。また、高度不飽和脂肪酸(polyunsaturated fatty acid, PUFA)のうち、エイコサペンタエン酸(EPA)などのω3PUFAには古くから抗炎症作用が知られているが、その分子レベルでの作用機序は不明である。私はω3PUFAから新規の炎症収束性メディエーターが生成し、機能している可能性を考え、新規分子の探索を行ってきた。その結果本年度までに、酵素的に生成する複数のω3PUFA由来の新規代謝物を同定し、その中のいくつかにin vivo炎症モデルにおける好中球の炎症局所への浸潤を、ナノモルレベルで抑制する活性を見出している。 平成22年度において我々は、同定した新規代謝物のいくつかについて有機化学的手法を用いた合成を試みたところ、ミリグラムオーダーでの合成に成功した。また、NMR等の構造解析手法を用いて、有機化学的に得られた化合物とのマッチングを行ったところ、それら新規代謝物の構造を完全に決定することができた。さらに、質量分析計を用いたPUFA代謝物の高感度検出系を確立し、マウスの急性腹膜炎モデルにおける炎症浸出液の分析を行ったところ、好中球が消散する時期において、新規代謝物が既存の脂質メディエーターと遜色のないレベルで存在していることを見出した。 現在有機合成した化合物を用いて細胞レベルでの活性評価を行うと共に、放射標識化合物を合成して様々な細胞に対するspecific bindingを検討し、新規代謝物の標的細胞の同定を進めている。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)