ウシ心筋NADH-ユビキノン酸化還元酵素の2次元結晶化と電子線構造解析
Project/Area Number |
09J55532
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biophysics
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
中川 聡子 (天野 聡子) University of Hyogo, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 膜タンパク質 / 2次元結晶 / 電子顕微鏡 |
Research Abstract |
ミトコンドリア呼吸鎖の最上部に位置するNADH-ユビキノン還元酵素(以下複合体I)は、NADHを酸化し、ユビキノン(Q_<10>)へと電子を伝達すると共にプロトンをマトリックス側から膜間腔へとポンプする。ウシ複合体1は分子量100万という巨大な膜タンパク質複合体で、45種類の異なるサブユニットから構成され1分子のFMNと、8分子のFe-Sクラスターと少なくとも1分子のQ_<10>が含まれる。本酵素の反応機構の解明のためには構造情報が不可欠であるため、いくつかのグループが構造解明に取り組んできており、2010年にはSazanovとBrandtのグループから細菌及び酵母由来酵素の全体構造が報告されたが、両者ともに分解能は低く反応機構を議論できるレベルにない。本酵素はミトコンドリア膜中ではピエリシジンAなどの特異的阻害剤によってNADHからQ_<10>への電子伝達が阻害される。本研究では、この阻害剤感受性を保持した高純度の酵素をウシ心筋から収率よく精製し、脂質により安定化される性質を利用しウシ心筋酵素の全体構造を電子線構造解析により高分解能で明らかにすることを目指した。 本酵素の2次元結晶を用いた高分解能データの収集には、『広い面積(2μm2以上)』で『結晶性高い』2次元結晶を『高頻度』に、また『再現性よく』得る必要がある。それを可能にするために、昨年度は主に脂質を溶解するための界面活性剤の構造の選択について検討を行ったが、本年度は、昨年度の結果をもとに更に詳細に界面活性剤の種類の組み合わせ及び濃度の検討を行った。ウシ心筋由来ホスファチジルコリン(PC)は4mg/ml以下となるように終濃度が0.5%コール酸と0.2%デシルマルトシドを用いて溶解した。透析の際の温度を15℃として透析膜のボアサイズの選択等の種々の透析条件の検討を行った結果、結晶の頻度にはまだ問題があるが、2次元結晶の面積や再現性は格段に上昇した。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)